前回の記事では、店舗予算の作り方についてお話ししました。
今回は、その先にある、
「店舗の利益」と「オーナーの収入」は同じではない
という話をしたいと思います。
コンビニ経営を始める前は、
「利益が出れば、その分だけ自分の収入になる」
私はそんなイメージを持っていました。
ところが、実際に経営を始めると、その考え方は大きく変わりました。
店舗に利益が出ても、そのすべてをオーナーが自由に使えるわけではありません。
むしろ、利益が出た後に、
税金、社会保険料、借入金、設備投資、そして家庭のお金
まで考える必要があります。
ここを理解していないと、
「利益は出ているのに、お金が残らない」
ということが起こります。
利益が出ても、お金が残るとは限らない
まず理解しておきたいのが、
利益と現金は同じではない
ということです。
店舗の損益計算上は利益が出ていても、そのお金をすべて生活費に回せるわけではありません。
利益が出れば、
- 所得税
- 住民税
- 個人事業税
- 健康保険料
- 国民年金
などの負担も発生します。
さらに、経営を続けていくためには、
- 設備の修繕
- 店舗備品の更新
- 車両などの買い替え
- 借入金の返済
- 将来の投資資金
なども考えなければなりません。
そして家庭には、
- 住宅ローン
- 食費
- 教育費
- 固定資産税
- 自動車税
- 車検費用
- 保険料
など、生活に必要なお金があります。
つまり、
「店舗にいくら利益が出たのか」だけでは、オーナーが実際にどれだけ使えるのかは分かりません。
ここが、コンビニ経営を始めて私が大きく考え方を変えた部分です。
オーナーが見るべきなのは「利益」だけではない
店舗経営では、利益は非常に重要な数字です。
しかし、オーナーが本当に見るべき数字は、それだけではありません。
私は、
利益 → キャッシュフロー → 税金・社会保険 → 家計 → 将来への資金
というところまで考える必要があると思っています。
利益が出ている。
だから安心。
ではありません。
利益が出ていても、
「現金はいくら残っているのか?」
「税金を払った後はいくら残るのか?」
「借入金を返済した後はいくら残るのか?」
「来年の設備投資にいくら必要なのか?」
こうしたことまで考えなければ、本当の意味で経営が安定しているとは言えません。
本部社員とオーナーでは、見る数字が違う
私はここも大きな違いだと思っています。
もちろん、本部社員も店舗の数字を見ています。
売上、粗利益、人件費、廃棄などを分析し、
「どうすれば店舗の利益を改善できるか」
という視点から店舗運営を考えます。
一方、オーナーはそれだけではありません。
店舗の数字に加えて、
- 税金
- 社会保険料
- 借入金
- 家計
- 将来の設備投資
- 老後資金
まで考えなければなりません。
つまりオーナーには、
「店舗を経営する数字」と「人生を経営する数字」
の両方が必要になります。
店舗だけを見るのではなく、
会社と家庭を一つの経営として考える。
私は長くコンビニ経営を続けるうえで、これは非常に重要な考え方だと思っています。
私は毎年、税理士と経営計画を立てています
私は毎年、税理士と一緒に経営計画を立てています。
目的は、単純に翌年の利益を予測することではありません。
店舗の数字と家庭の数字を整理し、
「今年は何を優先するのか」
を決めるためです。
例えば、
利益は十分に出ているのに現金が残らない。
人件費が想定以上に増えている。
税金の支払いが予想より大きくなった。
設備投資が必要になった。
こうした問題は、年末になってから気付いても対応が限られてしまいます。
だからこそ、事前に数字を確認しておく。
問題が大きくなる前に気付き、
早めに軌道修正する。
これが経営計画を作る大きな意味だと思っています。
数字を整理すると、経営の優先順位が見えてくる
私は、数字を管理すること自体が目的ではないと思っています。
数字は、
経営者を縛るためのものではなく、判断するための材料です。
数字を整理すると、
- 利益はどこで減っているのか
- 人件費は適正なのか
- 廃棄は増えていないか
- 現金は十分に残っているのか
- 今、本当に優先すべきことは何なのか
が見えてきます。
逆に数字を見なければ、
「たぶん大丈夫」
「去年と同じくらいだろう」
という感覚だけで経営することになります。
私は、それが一番危険だと思っています。
経営者にとって数字は、
未来を予測するための道具
でもあります。
会社に残すお金と、家庭に回すお金
もう一つ大切なのが、
会社のお金と家庭のお金のバランス
です。
利益が出たからといって、すべてを生活費として使ってしまえば、将来の設備投資や不測の事態に対応できません。
反対に、会社にお金を残すことばかり考えてしまえば、家庭の生活が苦しくなることもあります。
だから、
「今年はいくら会社に残すのか」
「家庭にはいくら必要なのか」
「将来のためにいくら準備するのか」
を考える必要があります。
これは、店舗の売上を伸ばすこととは違った意味で、
オーナーにしかできない経営判断
だと思っています。
経営とは「会社」と「家庭」の両方を守ること
コンビニオーナーは、店舗を経営しているだけではありません。
その先には、家族の生活があります。
だからこそ、
店舗の利益だけを見るのではなく、その利益が最終的に会社と家庭にどう残るのかを見る。
これが重要だと思います。
店舗の利益を増やす。
それだけでは十分ではありません。
税金を払い、必要な支出を行い、将来への資金を確保したうえで、
最終的にどれだけのお金を会社と家庭に残せるのか。
そこまで考えて、初めて経営の成果が見えてくるのだと思います。
まとめ|利益を出すことがゴールではない
コンビニ経営では、
利益を出すことがゴールではありません。
本当に大切なのは、
利益を出した後、そのお金をどう残し、どう使うのか。
そこまで考えることです。
私は毎年、税理士と一緒に数字を整理し、翌年の経営計画を立てています。
数字を整理すると、問題点が早く見つかります。
改善すべきことも明確になります。
そして、
「今年は何をするべきなのか」
という経営の優先順位も見えてきます。
20年以上コンビニ経営を続けてきて、私が感じていることがあります。
それは、
利益を見るだけでは、会社は守れない。
ということです。
店舗の利益だけではなく、
会社のお金、家庭のお金、そして将来のお金。
そのすべてを考えながら経営する。
私は、それこそが長くコンビニ経営を続けていくための、
「経営計画を作る本当の意味」
だと考えています。
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