利益とオーナー収入は違う|コンビニ経営で本当に見るべき数字【第64話】

利益とオーナー収入は違う|コンビニ経営で本当に見るべき数字【第64話】 経営分析

前回の記事では、店舗予算の作り方についてお話ししました。

今回は、その先にある、

「店舗の利益」と「オーナーの収入」は同じではない

という話をしたいと思います。

コンビニ経営を始める前は、

「利益が出れば、その分だけ自分の収入になる」

私はそんなイメージを持っていました。

ところが、実際に経営を始めると、その考え方は大きく変わりました。

店舗に利益が出ても、そのすべてをオーナーが自由に使えるわけではありません。

むしろ、利益が出た後に、

税金、社会保険料、借入金、設備投資、そして家庭のお金

まで考える必要があります。

ここを理解していないと、

「利益は出ているのに、お金が残らない」

ということが起こります。


利益が出ても、お金が残るとは限らない

まず理解しておきたいのが、

利益と現金は同じではない

ということです。

店舗の損益計算上は利益が出ていても、そのお金をすべて生活費に回せるわけではありません。

利益が出れば、

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 健康保険料
  • 国民年金

などの負担も発生します。

さらに、経営を続けていくためには、

  • 設備の修繕
  • 店舗備品の更新
  • 車両などの買い替え
  • 借入金の返済
  • 将来の投資資金

なども考えなければなりません。

そして家庭には、

  • 住宅ローン
  • 食費
  • 教育費
  • 固定資産税
  • 自動車税
  • 車検費用
  • 保険料

など、生活に必要なお金があります。

つまり、

「店舗にいくら利益が出たのか」だけでは、オーナーが実際にどれだけ使えるのかは分かりません。

ここが、コンビニ経営を始めて私が大きく考え方を変えた部分です。


オーナーが見るべきなのは「利益」だけではない

店舗経営では、利益は非常に重要な数字です。

しかし、オーナーが本当に見るべき数字は、それだけではありません。

私は、

利益 → キャッシュフロー → 税金・社会保険 → 家計 → 将来への資金

というところまで考える必要があると思っています。

利益が出ている。

だから安心。

ではありません。

利益が出ていても、

「現金はいくら残っているのか?」

「税金を払った後はいくら残るのか?」

「借入金を返済した後はいくら残るのか?」

「来年の設備投資にいくら必要なのか?」

こうしたことまで考えなければ、本当の意味で経営が安定しているとは言えません。


本部社員とオーナーでは、見る数字が違う

私はここも大きな違いだと思っています。

もちろん、本部社員も店舗の数字を見ています。

売上、粗利益、人件費、廃棄などを分析し、

「どうすれば店舗の利益を改善できるか」

という視点から店舗運営を考えます。

一方、オーナーはそれだけではありません。

店舗の数字に加えて、

  • 税金
  • 社会保険料
  • 借入金
  • 家計
  • 将来の設備投資
  • 老後資金

まで考えなければなりません。

つまりオーナーには、

「店舗を経営する数字」と「人生を経営する数字」

の両方が必要になります。

店舗だけを見るのではなく、

会社と家庭を一つの経営として考える。

私は長くコンビニ経営を続けるうえで、これは非常に重要な考え方だと思っています。


私は毎年、税理士と経営計画を立てています

私は毎年、税理士と一緒に経営計画を立てています。

目的は、単純に翌年の利益を予測することではありません。

店舗の数字と家庭の数字を整理し、

「今年は何を優先するのか」

を決めるためです。

例えば、

利益は十分に出ているのに現金が残らない。

人件費が想定以上に増えている。

税金の支払いが予想より大きくなった。

設備投資が必要になった。

こうした問題は、年末になってから気付いても対応が限られてしまいます。

だからこそ、事前に数字を確認しておく。

問題が大きくなる前に気付き、

早めに軌道修正する。

これが経営計画を作る大きな意味だと思っています。


数字を整理すると、経営の優先順位が見えてくる

私は、数字を管理すること自体が目的ではないと思っています。

数字は、

経営者を縛るためのものではなく、判断するための材料です。

数字を整理すると、

  • 利益はどこで減っているのか
  • 人件費は適正なのか
  • 廃棄は増えていないか
  • 現金は十分に残っているのか
  • 今、本当に優先すべきことは何なのか

が見えてきます。

逆に数字を見なければ、

「たぶん大丈夫」

「去年と同じくらいだろう」

という感覚だけで経営することになります。

私は、それが一番危険だと思っています。

経営者にとって数字は、

未来を予測するための道具

でもあります。


会社に残すお金と、家庭に回すお金

もう一つ大切なのが、

会社のお金と家庭のお金のバランス

です。

利益が出たからといって、すべてを生活費として使ってしまえば、将来の設備投資や不測の事態に対応できません。

反対に、会社にお金を残すことばかり考えてしまえば、家庭の生活が苦しくなることもあります。

だから、

「今年はいくら会社に残すのか」

「家庭にはいくら必要なのか」

「将来のためにいくら準備するのか」

を考える必要があります。

これは、店舗の売上を伸ばすこととは違った意味で、

オーナーにしかできない経営判断

だと思っています。


経営とは「会社」と「家庭」の両方を守ること

コンビニオーナーは、店舗を経営しているだけではありません。

その先には、家族の生活があります。

だからこそ、

店舗の利益だけを見るのではなく、その利益が最終的に会社と家庭にどう残るのかを見る。

これが重要だと思います。

店舗の利益を増やす。

それだけでは十分ではありません。

税金を払い、必要な支出を行い、将来への資金を確保したうえで、

最終的にどれだけのお金を会社と家庭に残せるのか。

そこまで考えて、初めて経営の成果が見えてくるのだと思います。


まとめ|利益を出すことがゴールではない

コンビニ経営では、

利益を出すことがゴールではありません。

本当に大切なのは、

利益を出した後、そのお金をどう残し、どう使うのか。

そこまで考えることです。

私は毎年、税理士と一緒に数字を整理し、翌年の経営計画を立てています。

数字を整理すると、問題点が早く見つかります。

改善すべきことも明確になります。

そして、

「今年は何をするべきなのか」

という経営の優先順位も見えてきます。

20年以上コンビニ経営を続けてきて、私が感じていることがあります。

それは、

利益を見るだけでは、会社は守れない。

ということです。

店舗の利益だけではなく、

会社のお金、家庭のお金、そして将来のお金。

そのすべてを考えながら経営する。

私は、それこそが長くコンビニ経営を続けていくための、

「経営計画を作る本当の意味」

だと考えています。

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