信用には複利があり、負債もある|コンビニ経営で学んだ一番大切なこと【第24話】

コンビニ経営

結論から言います

信用には、複利があります。

そして、

信用を失ったときにも、負の複利が働きます。

第23話では、信用を積み重ねることで、

人が集まり、

仕事が集まり、

新しいチャンスが生まれ、

結果として資産形成にもつながる。

そんな「信用の正の複利」について書きました。

しかし、信用には反対側があります。

信用を失えば、

人が離れる。

仕事を任せてもらえなくなる。

取引先から警戒される。

金融機関からの信用にも影響する。

そして、人生の選択肢そのものが減っていく。

私はこれを、

「信用負債」

だと考えています。

つまり、

信用は積み上げれば資産になり、失えば負債になるのです。


信用を失うことは「ゼロになる」ことではない

お金なら、100万円を失えば残高はゼロになります。

その後、100万円稼げば、数字の上では元に戻ります。

信用は違います。

一度、

「この人は信用できない」

と思われてしまうと、その後の行動まで疑われるようになります。

約束を守っても、

「今回はたまたまではないか」

と思われるかもしれません。

仕事をきちんとしても、

「本当に任せて大丈夫なのか」

と警戒されるかもしれません。

つまり、

失った信用を取り戻すには、もう一度、時間をかけて信用を積み上げなければなりません。

ここに信用の大きな特徴があります。

失った金額は数字で分かります。

しかし信用を失ったことで、

どれだけの時間や機会を失うのかは、数字では簡単に表せません。


最初に失うのは「人とのつながり」

信用を失ったとき、最初に変化するのは人間関係かもしれません。

今まで普通に付き合っていた人が離れていく。

相談されなくなる。

仕事を頼まれなくなる。

人を紹介してもらえなくなる。

一つひとつは小さな変化に見えるかもしれません。

しかし、その一人から生まれていたはずの、

新しい出会い。

新しい仕事。

新しい紹介。

新しい情報。

そうした機会まで失う可能性があります。

つまり、

一つの信用の損失が、次の損失を生み出してしまう。

これが、信用の負の複利です。


信用を失えば、仕事にも影響する

仕事では、

「この人に任せても大丈夫なのか」

という評価が非常に重要です。

約束を守らない人。

責任から逃げる人。

人によって態度を変える人。

こうした人に、重要な仕事を任せるのは難しくなります。

お客様からの信用を失えば、売上にも影響します。

取引先からの信用を失えば、新しい取引が難しくなることもあります。

仕事が減れば、

収入が減る。

貯蓄できる金額が減る。

投資に回せるお金も減る。

結果として、資産形成にも影響します。

つまり、

信用の問題は、最終的にお金の問題へつながることがあります。


信用は「与信」という形でも表れる

信用について考えるとき、私が特に重要だと思うのが「与信」です。

簡単に言えば、

「この人なら信用して取引できる」

という評価です。

例えば、

銀行から融資を受ける。

取引先と契約する。

不動産を購入する。

事業を拡大する。

こうした場面では、相手から信用されていることが大きな意味を持ちます。

つまり信用は、

将来の選択肢を増やすための見えない資産

でもあります。


銀行との信用を失う怖さ

事業をする人にとって、金融機関との信用は特に重要です。

店舗を増やしたい。

設備投資をしたい。

不動産を購入したい。

運転資金が必要になった。

そんなとき、融資を受けられるかどうかは、事業の可能性を大きく左右します。

金融機関は、

事業実績。

収益性。

資産状況。

借入状況。

返済実績。

そして信用。

さまざまな情報をもとに判断します。

信用があれば、

「必要になったときに相談できる」

という選択肢があります。

逆に信用を失えば、

「お金がないから借りられない」

だけではなく、

「信用がないから借りられない」

という状況になる可能性があります。

これは大きな違いです。


一度大きく信用を失うと、過去は簡単には消えない

信用を失う原因はさまざまです。

小さな約束違反から、

重大なルール違反、

場合によっては犯罪まであります。

もちろん、過去に問題を起こした人でも、反省し、その後の人生をやり直していくことはできます。

人は変わることができます。

しかし、

本人が「もう反省した」と思ったからといって、周囲の信用がすぐに元へ戻るわけではありません。

失った信用を取り戻すには、

約束を守る。

責任を果たす。

仕事を続ける。

実績を積み重ねる。

そうした行動を、時間をかけて続ける必要があります。

つまり、

信用の回復にも「時間」というコストがかかるのです。


信用を失うと、人格まで否定されたように感じることがある

信用の問題は、経済面だけではありません。

人が離れる。

周囲から疑われる。

何を言っても信じてもらえない。

以前のように接してもらえない。

そうなると、

「自分はもう信用されない人間なのか」

と感じてしまうこともあります。

だから信用を失うことは、

単なる資産の減少ではありません。

人間関係や、自分自身への評価にも影響する可能性があります。

これも、信用が持つ大きな特徴だと思います。


信用の負債は、目に見えない

私は、信用を失った状態を単純な「ゼロ」だとは考えていません。

信用を取り戻すために、

説明する。

謝る。

約束を守る。

実績を作る。

もう一度信頼してもらう。

そのために、本来なら必要なかった時間と労力を使うことになります。

さらに、信用があったなら得られたかもしれない、

仕事。

紹介。

融資。

取引。

人とのつながり。

そうした機会を失う可能性もあります。

だから私は、

信用を失うことで発生する「時間・労力・機会の損失」こそが、信用負債なのだと思っています。


信用を失うと、人生の選択肢が減る

私は、信用の本当の価値はここにあると思っています。

信用がある人には、

仕事を任せてもらえる。

人を紹介してもらえる。

銀行に相談できる。

新しい事業に挑戦できる。

困ったときに助けてもらえる。

つまり、

信用があることで、人生の選択肢が増えます。

逆に信用を失えば、

その選択肢が一つずつ減っていく。

だから私は、

信用を失うことは、人生の自由度を失うことでもある

と考えています。


資産残高だけでは測れないもの

資産形成では、

預金はいくらあるのか。

株式はいくらあるのか。

不動産はいくらあるのか。

借入金はいくら残っているのか。

こうした数字を確認します。

もちろん、それは重要です。

しかし私は、

もう一つの残高も意識した方がいいと思っています。

信用残高です。

信用残高は、通帳には表示されません。

決算書にも載りません。

それでも、

仕事。

融資。

取引。

人間関係。

事業。

こうした人生の重要な場面に影響します。

だから、

資産残高だけでなく、信用残高も積み上げる。

それが長い人生では重要なのだと思います。


目先のお金のために、信用を失わない

人生では、

目の前のお金を優先したくなることがあります。

10万円を得るために約束を破る。

100万円を得るために人との信頼関係を壊す。

その瞬間だけを見れば、得をしたように感じるかもしれません。

しかし、その結果として信用を失えば、

失うものは10万円や100万円では済まない可能性があります。

仕事。

人間関係。

融資。

事業機会。

そして将来の選択肢。

だから私は、

短期的なお金より、長期的な信用を守ることの方が大切な場面がある

と思っています。


まとめ

第23話では、

「信用には正の複利がある」

という話を書きました。

小さな信用を積み重ねることで、

人が集まり、

仕事が集まり、

チャンスが生まれ、

結果として資産形成にもつながっていく。

しかし、その反対もあります。

信用を失えば、負の複利が働きます。

人が離れる。

仕事が減る。

与信を失う。

金融機関との関係にも影響する。

新しい事業に挑戦しにくくなる。

そして、

人生の選択肢そのものが減っていく。

これが、私の考える「信用負債」です。

お金は失っても、また稼ぐことができます。

資産も、時間をかければ作り直すことができます。

しかし、

失った信用を取り戻すには、時間が必要です。

そして、その間にも本来なら得られたはずの仕事や機会を失うかもしれません。

だから私は、

信用を積み上げることだけではなく、信用を失わないことも資産形成の一部

だと考えています。

約束を守る。

誠実に仕事をする。

人を大切にする。

責任から逃げない。

当たり前のことを、長く続ける。

それが信用を守るということです。

第23話では、

信用を積み上げると、人生に複利が働く

という話をしました。

そして第24話では、

信用を失えば、その反対の複利が働く

という話をしました。

だからこそ、

信用は、お金以上に慎重に扱うべき資産なのだと思います。

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