コンビニオーナーの生活防衛資金は一般的な個人事業主とは少し違う【第114話】

コンビニオーナーが不動産賃貸業を選んだ理由と資産形成の第一歩を解説するイメージ 個人事業主の資産形成

はじめに

資産形成について調べると、

「生活防衛資金は生活費の3〜6か月分。」

「個人事業主なら6か月〜1年分。」

という考え方をよく目にします。

私も、この考え方そのものは間違っていないと思います。

しかし、コンビニオーナーの場合は少し考え方が違うと感じています。


コンビニ経営には独特の仕組みがある

コンビニ経営は毎日営業しているため、売上は日々変動しますが、毎月ある程度のキャッシュフローが発生します。

もちろん、利益が保証されているわけではありません。

最低賃金の上昇や売上低下、人件費の増加など経営リスクもあります。

それでも、会社員のように「翌月から給与がゼロになる」というケースとは少し状況が異なります。

だから私は、生活防衛資金とは、

「生活費だけを守るお金」ではなく、「家族と事業を守るためのお金」

だと考えています。


オープンアカウントという仕組み

コンビニには、加盟店勘定(オープンアカウント)という独自の資金管理制度があります。

例えば、お店の資産が650万だった場合、

  • 店舗在庫:約550万円
  • 釣り銭準備金:約50万円
  • 保証金:約50万円

という形になるケースがあります。

※契約内容や時期によって異なります。

店舗在庫分については、本部から借り入れる形となり、毎月の利益の中から少しずつ返済していきます。


月次引き出し金という考え方

コンビニオーナーは毎月の月次引き出し金を設定します。

これは生活費として毎月引き出す金額です。

例えば、

  • 月次引き出し金:50万円
  • 当月利益:80万円

だった場合、

50万円は生活費として受け取り、

残り30万円は本部への借入金返済に充てられます。

逆に利益が生活費を下回った場合でも、加盟店勘定の状況によっては生活資金を引き出すことができます。

もちろん、その分は本部への借入残高が増え、将来の利益から返済していくことになります。

つまり、この制度は利益を保証するものではなく、

オーナーの資金繰りを支える制度です。


店舗在庫は換金性の高い資産でもある

私は店舗在庫を、

「換金性の高い事業資産」

という見方もしています。

契約終了時には、契約内容などに基づき販売可能な商品在庫を本部が引き取る仕組みがあります。

もちろん条件はありますが、

店舗在庫は現金化しやすい資産の一つです。

だから私は、

生活防衛資金を考える時も、

現金だけではなく、

オープンアカウントや店舗在庫も含めて考えるようにしています。

前半では、コンビニ特有のオープンアカウントや生活防衛資金の考え方についてお話ししました。

後半では、私が考える資産形成を始めるタイミングと、銀行との付き合い方についてお話しします。


私は本部への借入金を返済してから資産形成を始めることをおすすめします

私自身は、本格的な投資や資産形成は、

本部への借入金を返済した後

が理想だと考えています。

開業直後は利益が出ても、その一部は本部への借入金返済に充てられます。

だから私は、

まずは経営を安定させ、

借入金を返済し、

その後に余剰資金で投資を始める。

この順番が一番安心して続けられると思っています。


銀行へ借り換えるという選択肢

一方で、

本部への借入金を銀行融資へ借り換えるという方法もあります。

例えば10年返済で借り換えれば、

毎月の返済額を抑えながら資金計画を立てることも可能です。

借入金額や金利によりますが、

毎月5万円前後の返済になるケースもあります。

本部への借入金を返済すれば、

利益がオープンアカウント返済へ回らなくなるため、

キャッシュフローも把握しやすくなります。


銀行との取引は資産になる

コンビニ事業は毎日売上が発生するため、

金融機関から比較的評価されやすい業種だと私は感じています。

もちろん、

店舗の業績やオーナーの信用状況によって融資の可否は変わります。

しかし、

銀行との取引実績を積み重ねることは、

将来の設備投資や不動産投資にも大きなメリットがあります。

私は銀行を、

「お金を借りる相手」ではなく、「経営のパートナー」

だと考えています。

おわりに

ここまで、コンビニオーナーならではの生活防衛資金の考え方についてお話ししてきました。

一般的には、「生活費の○か月分を現金で持つこと」が生活防衛資金と言われます。

もちろん、その考え方は大切です。

しかし、私はコンビニオーナーの場合、それだけでは十分ではないと考えています。

コンビニにはオープンアカウントという独自の仕組みがあります。

店舗在庫は、契約終了時には契約内容に基づき本部へ引き継がれる仕組みがあり、比較的換金性の高い事業資産でもあります。

また、毎日の営業を通じて積み重ねてきた実績は、金融機関との信用にもつながります。

私は、本部への借入金を銀行融資へ借り換えるという方法も、キャッシュフローを安定させる有効な選択肢の一つだと考えています。

銀行との取引実績を積み重ねることは、将来の設備投資や不動産投資など、新たな挑戦をする際の大きな財産になります。

つまり、コンビニオーナーにとっての生活防衛資金とは、単に現金だけを意味するものではありません。

  • 手元の現金
  • オープンアカウントという資金管理の仕組み
  • 店舗在庫という事業資産
  • 金融機関との信用
  • 安定した店舗経営による継続的なキャッシュフロー

これらすべてが、経営を支える土台になります。

だから私は、資産形成を始める前に、まずは経営の土台を固めることをおすすめしています。

本部への借入金を返済する。

あるいは、銀行融資へ借り換え、無理のない返済計画を立てる。

そのうえで、余剰資金を株式や不動産などの資産形成へ回していく。

この順番が、私自身にとって一番安心して続けられる方法でした。

コンビニオーナーは、現金だけが資産ではありません。

オープンアカウント。

店舗在庫。

長年積み重ねた銀行との信用。

こうした目に見えにくい資産も、経営を支える大切な財産です。

私は、これらを含めて「生活防衛資金」だと考えています。

そして、その土台があるからこそ、相場が下落しても慌てず、長期的な資産形成を続けることができます。

資産形成とは、お金を増やす技術ではありません。

安心して経営を続けられる仕組みを作ること。

それが、10年以上コンビニ経営を続ける中で、私がたどり着いた答えです。

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