こんにちは、コンビニ大家です。
私は最低賃金が上がること自体には賛成です。
スタッフの生活を守るためにも、賃金は上がるべきだと思っています。
しかし、コンビニオーナーという立場から見ると、一つ大きな課題があります。
インフレ時代では、利益を維持するために売上も成長し続けなければならないということです。
私は10年以上コンビニを経営してきました。
その中で感じるのは、
コンビニはデフレ時代に完成したビジネスモデルであり、インフレ時代には新しい経営の考え方が必要になったということです。
コンビニはデフレ時代に完成したビジネスモデル
約30年間、日本はデフレ経済でした。
物価も大きく上がらず、
人件費も比較的安定していました。
その中で、
物流。
POS。
商品開発。
フランチャイズシステム。
コンビニは世界でも珍しいほど完成度の高いビジネスモデルへ進化しました。
しかし現在は違います。
最低賃金。
社会保険料。
光熱費。
物価。
あらゆるコストが上昇しています。
つまり、
経営の前提条件そのものが変わりました。
私の店舗でシミュレーションしてみました
今回は、
私自身が作成したシミュレーションを紹介します。
前提条件は、
- Cタイプ契約
- 24時間営業
- 複数店減額適用
- 加盟5年以上
- オーナー夫妻は深夜以外で週60時間勤務
- その他経費は同条件
です。
比較① 現在と最低賃金50円アップ
| 項目 | 現在 | 最低賃金+50円 |
|---|---|---|
| 平均日販 | 650,000円 | 650,000円 |
| 平均時給 | 1,100円 | 1,189円 |
| 月間人件費 | 約132万円 | 約138万円 |
| 月間利益 | 約84万円 | 約78万円 |
一見すると、
最低賃金は50円しか上がっていません。
しかしコンビニは24時間営業です。
深夜時間帯は最低賃金に25%の割増賃金が加算されるため、最低賃金の引き上げは深夜帯の人件費にも影響します。
その結果、私の店舗では平均時給が約89円上昇しました。
つまり、
最低賃金50円アップでも、
利益は毎月約6万円減少。
年間では約72万円の利益減少になります。
利益を維持するには売上をどれだけ伸ばせばいいのか
では、
この年間72万円を取り戻すには、
どれくらい売上を伸ばせばいいのでしょうか。
私のシミュレーションでは、
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 現在の日販 | 650,000円 |
| 利益維持に必要な日販 | 675,000円 |
| 増加額 | 25,000円 |
| 必要売上成長率 | 約3.8% |
つまり、
利益を増やすためではありません。
利益を維持するためだけに約3.8%の売上アップが必要になります。
私はこれを、
「成長して現状維持」
と考えています。
デフレ時代なら、
前年並みの売上でも利益を維持できました。
しかしインフレ時代では、
前年と同じ利益を残すためにも、
毎年売上や生産性を高め続ける必要があります。
前編まとめ
今回のシミュレーションから見えてきたのは、
最低賃金が50円上昇しただけでも、
年間約72万円の利益が減少し、
利益を維持するためには約3.8%の売上成長が必要という現実でした。
これは私の店舗を前提とした試算ですが、
インフレ時代では、
**「成長して現状維持」**という経営になることを強く実感しています。
後編では、最低賃金が1,500円になった場合のシミュレーションと、これからのコンビニ経営に必要な「生産性」と「ビジネスモデルの進化」について、私の考えをお伝えします。
前編では、最低賃金が50円上昇した場合、私の店舗では年間約72万円利益が減少し、その利益を維持するためには約3.8%の売上成長が必要というシミュレーションをご紹介しました。
今回はさらに一歩進めて、
最低賃金が1,500円になった場合、コンビニ経営はどう変わるのか。
私自身が作成したシミュレーションをもとに考えてみます。
最低賃金1,500円をシミュレーションしてみた
最低賃金1,500円。
数年前なら現実味がない数字だったかもしれません。
しかし現在は、全国平均1,500円を目標とする議論も進んでいます。
そこで私の店舗を前提に、
現在と同じ利益が残る条件を逆算してみました。
条件は前編と同じです。
- Cタイプ契約
- 24時間営業
- 複数店減額適用
- 加盟5年以上
- オーナー夫妻は現在と同じ勤務時間
- その他経費は同条件
その結果がこちらです。
| 項目 | 現在 | 最低賃金1,500円 |
|---|---|---|
| 平均日販 | 650,000円 | 858,000円 |
| 平均時給 | 1,100円 | 約1,622円 |
| 月間利益 | 約84万円 | 約84万円 |
現在と同じ利益を維持するためには、
平均日販約85万8,000円が必要という結果になりました。
必要な売上は約32%増
数字だけでは分かりにくいので整理すると、
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 現在の日販 | 650,000円 |
| 必要日販 | 858,000円 |
| 増加額 | 208,000円 |
| 売上増加率 | 約32% |
つまり、
現在と同じ利益を残すためには、
約32%も売上を伸ばさなければならないということです。
もちろんこれは私の店舗条件による試算であり、すべての店舗に当てはまるものではありません。
それでも、この数字を見た時、私は非常に大きな危機感を覚えました。
現場改善だけでは限界がある
私は10年以上、
発注精度を高める。
廃棄を減らす。
売場を改善する。
スタッフ教育を行う。
こうした改善を積み重ねてきました。
しかし現在は、
最低賃金。
社会保険料。
物価。
光熱費。
こうしたコストの上昇を、
現場改善だけで吸収することは非常に難しくなっています。
もちろん改善は必要です。
しかし改善だけでは追いつかない。
それが現在のコンビニ経営だと感じています。
人海戦術から生産性重視へ
私は以前から、
人海戦術には限界があると思っています。
売上が増えたら人を増やす。
忙しくなったら残業する。
それでは、
インフレ時代は利益が残りません。
これから必要なのは、
限られた人数で、
より高い付加価値を生み出す経営です。
AI。
DX。
自動化。
データ分析。
こうした技術を積極的に取り入れ、
人に依存し過ぎない経営へ進化していく必要があります。
本部にも期待したいこと
私は本部を批判したいわけではありません。
本部には本部の役割があります。
加盟店には加盟店の役割があります。
しかし、
最低賃金が上がり続ける時代だからこそ、
加盟店の生産性を高める仕組みづくりは、これまで以上に重要になると思います。
例えば、
AIによる発注精度の向上。
売場分析の高度化。
事務作業の削減。
店舗運営の自動化。
オーナーやスタッフが「作業」に追われるのではなく、
「経営」に集中できる環境が必要ではないでしょうか。
私は、
「近くて便利」というコンビニの価値は、これからも変わらないと思っています。
だからこそ、
その価値を支える経営の仕組みは、時代に合わせて進化していく必要があります。
私が考えるこれからの経営
私は、
コンビニ経営を悲観しているわけではありません。
むしろ可能性はまだまだあると思っています。
ただ、
これまでと同じ経営では難しくなるとも感じています。
だから私は、
コンビニ経営を軸にしながら、
不動産。
株式投資。
ブログ。
AI。
新しい知識を学び続けています。
これはコンビニから離れるためではありません。
コンビニ経営を長く続けるためです。
収入源を増やし、
知識を増やし、
選択肢を増やす。
それが、
これからの時代の経営者に必要なことだと思っています。
まとめ
今回のシミュレーションでは、
最低賃金が1,500円になった場合、
現在と同じ利益を維持するためには、
平均日販約85万8,000円が必要という結果になりました。
現在の日販65万円と比べると、
約32%の売上増加が必要です。
もちろん、これは私の店舗条件を前提としたシミュレーションです。
しかし、この試算から見えてくることがあります。
デフレ時代は、
現状維持でも利益を維持しやすい時代でした。
しかしインフレ時代は違います。
成長して、ようやく現状維持。
これが、これからのコンビニ経営の現実だと私は考えています。
だから私は、
売上だけを見る経営ではなく、
利益を見る。
利益だけではなく、生産性を見る。
そして、人海戦術ではなく、AIやDXを活用した仕組みで利益を生み出す経営へ進化していくことが、これからのコンビニ業界には必要だと思っています。
変化は避けられません。
だからこそ、その変化を受け入れ、学び続け、経営を進化させること。
それが、10年以上コンビニを経営してきた私がたどり着いた答えです。
おすすめ記事





コメント