コンビニ経営で借金を完済|利益1,000万円を達成するまでの実体験【第17話】

体験談

こんにちは、コンビニ大家です。

開業当初、私が一番苦しかったのは、人手不足でも長時間労働でもありませんでした。

お金への不安です。

オープン直後の日販は40万円前後。

その後、売上が落ち込んだ時期には日販30万円台まで下がり、利益は月15万円程度しか残りませんでした。

朝から深夜まで働いても、思うようにお金が残らない。

「来月の支払いは大丈夫だろうか。」

「このまま借金を返していけるのだろうか。」

そんな不安を抱えながら、毎日お店に立っていました。

当時は、

「借金さえ返すことができれば、少しは楽になる。」

そう思っていました。

しかし、経営を続ける中で、少しずつ状況が変わっていきます。


少しずつ数字が変わり始めた

開業からしばらくすると、店舗の認知度が上がり、少しずつ売上にも変化が出てきました。

平均日販は、前年の46.6万円から55.4万円へ。

約19%増加しました。

特に好調だった月は、

  • 7月 61.5万円
  • 8月 58.8万円
  • 12月 59.0万円

まで伸びました。

利益も、

月平均63万円から83万円へ改善。

さらに、

  • 8月 101万円
  • 12月 92万円

の利益を確保することができました。

年間利益も約1,000万円に届きました。

開業当初、

月15万円程度しか残らなかったことを考えると、私にとっては大きな変化でした。

ただ、振り返ってみると、何か特別なことをしたわけではありません。


特別なことは何もしていない

「どうやって売上を伸ばしたのですか?」

と聞かれることがあります。

しかし、私自身は、

何か一発逆転するようなことをしたわけではありません。

セブン‐イレブンというブランドが地域に浸透し、

「近くにセブンがある」

とお客様に認識していただけるようになったことも、大きかったと思います。

その一方で、私自身が毎日取り組んだことは、とても地味なものでした。

発注精度を高める。

売場を整える。

廃棄を管理する。

天候や地域の行事を考えて発注する。

スタッフを教育する。

お客様の動きを観察する。

常連のお客様との信頼関係を築く。

一つひとつを見ると、特別なことではありません。

でも、

当たり前のことを、毎日続ける。

これを繰り返しているうちに、少しずつ数字が変わっていきました。

経営には、派手な一発逆転よりも、

毎日の小さな改善を積み重ねることの方が大切なのだと思います。


売上よりも「利益を残す」ことを意識するようになった

売上が増えてくると、もう一つ変わったことがあります。

それは、

「売上を増やすこと」だけを追わなくなったことです。

コンビニ経営では、売上が増えても、そのまま利益が増えるわけではありません。

廃棄が増えれば利益は減ります。

人件費が増えれば利益は減ります。

必要以上に経費をかければ、手元に残るお金も減ります。

そこで私は、

「いくら売ったか」だけではなく、「いくら残ったか」

を見るようになりました。

その結果、

売価ベースの廃棄は月70万円近くから、45~55万円程度まで改善。

廃棄率も約2%前後で安定するようになりました。

人件費率も、7%前後から5%前後へ改善しました。

売上を増やすだけではなく、

売上を利益につなげる経営

を少しずつ意識するようになったのです。


コンビニ経営は「売上を自分だけでは決められない」

私は今でも、コンビニ経営で売上を完全に自分の力だけでコントロールすることはできないと思っています。

立地があります。

競合店があります。

天候があります。

地域の人口動態もあります。

近くに新しい店舗ができれば、売上が下がることもあります。

逆に、周辺環境が変わって売上が伸びることもあります。

だからこそ、

「売上を追い続ける経営」だけではなく、売上が変動しても利益を残せる経営

が大切だと考えるようになりました。

これは、その後の私の経営に大きく影響する考え方になりました。


利益が残ると、経営の見え方が変わった

利益が少しずつ残るようになると、不思議なことに経営そのものが楽しくなってきました。

以前は、

「今月の支払いは大丈夫だろうか。」

「借金を返していけるだろうか。」

そんなことばかり考えていました。

しかし、利益が残るようになると、

「もっとお客様に喜んでもらうにはどうすればいいだろう。」

「スタッフが働きやすいお店にするにはどうすればいいだろう。」

と、前向きなことを考えられるようになりました。

利益があれば、設備にもお金をかけられます。

スタッフの待遇改善にも取り組めます。

売場を改善することもできます。

必要なところへ投資する余裕も生まれます。

すると、お店が少しずつ良くなっていく。

スタッフも働きやすくなる。

お客様にも喜んでいただける。

その結果、さらに利益が残る。

私はこの頃から、

利益には「お店を良くするための原動力」という役割もある

と実感するようになりました。


そして、借金を完済した

そして、ついに開業以来背負っていた本部からの借入金を完済することができました。

もちろん、借金を返した瞬間は嬉しかったです。

でも、振り返ってみると、一番大きかったのは通帳の残高が増えたことではありません。

心の余裕が生まれたことでした。

それまで、

「来月の支払いは大丈夫だろうか。」

と常に考えていました。

借金を完済したことで、その不安から少しずつ解放されていきました。

毎月の資金繰りに追われる感覚もなくなりました。

もちろん、経営そのものに不安がなくなったわけではありません。

人手不足もあります。

競合店ができる可能性もあります。

売上が将来も安定する保証もありません。

それでも、

「お金に追われる経営」から一歩抜け出せた。

これは私にとって、とても大きな出来事でした。


借金を返して分かったこと

開業当初の私は、

「借金を返せば経営は楽になる」

と思っていました。

実際、借金を返すことで資金繰りの不安は大きく減りました。

しかし、経営を続けていると、別のことにも気づきます。

借金を返すことがゴールではない。

本当に大切なのは、

借金を返した後も利益を残せる経営を続けることです。

一時的に利益が出ただけでは意味がありません。

売上が落ちたときにも耐えられる。

必要な人件費を払える。

設備の修繕にも対応できる。

税金も支払える。

そして、経営者自身にもお金を残せる。

そんな経営体質をつくることが重要なのだと思います。


この経験が、その後の私の経営の原点になった

振り返ると、

利益15万円程度しか残らなかった時期から、

年間利益1,000万円を達成し、

借金を完済するまでには、かなりの時間がかかりました。

特別な才能があったわけではありません。

画期的な経営手法を知っていたわけでもありません。

ただ、

発注を見直す。

廃棄を減らす。

売場を改善する。

人件費を考える。

スタッフを育てる。

お客様を大切にする。

そして、毎月の数字を見る。

そんな当たり前のことを、一つずつ積み重ねてきました。

その結果として、少しずつ利益を残せるようになったのだと思います。

この経験は、その後の不動産投資や株式投資にもつながっていきました。

私にとって、

「利益を残す」という考え方の原点

になったのです。


でも、悩みがなくなったわけではなかった

借金を完済し、利益も安定してきました。

数字だけを見れば、

「これで経営は安泰だ。」

と思うかもしれません。

私自身も、そう思っていました。

ところが、現実は違いました。

お金の問題が落ち着くと、今度は別の問題が見えてきたのです。

それは、

「人」の問題でした。

自分が現場に入り続けなければ、お店が回らない。

スタッフが急に休めば、自分がシフトに入る。

発注もする。

売場も見る。

スタッフ教育もする。

クレーム対応もする。

利益が出ても、相変わらず休みは少ない。

そこで初めて、

「利益を出すこと」と「経営者が自由になること」は別の問題なんだ

と気づきました。

そして私は、

「誰かに店を任せる」

という次の課題に向き合うことになります。


次回予告

経営が安定しても、悩みは消えませんでした。

次に私が向き合うことになったのは、

「誰にお店を任せるのか」

という問題です。

能力がある。

仕事もできる。

本人も店長を希望している。

それでも、

「本当にこの人に店を任せていいのか?」

という迷いがありました。

次回は、私が店長を任せる決断をした理由と、そこで学んだことをお話しします。

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