社会保険加入は会社の義務|利益を圧迫する見えない人件費【第74話】

現場で考えるのは「次の10年」のこと コンビニ経営

こんにちは、コンビニ大家です。

最低賃金の上昇については、多くの方が知っています。

しかし、コンビニ経営で見落とされがちなコストがあります。

それが社会保険です。

私は、社会保険は福利厚生ではなく、会社が法律に基づいて果たすべき義務だと考えています。

そして、これからのコンビニ経営では、社会保険を含めた人件費を正しく理解し、利益計画へ反映させることが、これまで以上に重要になると思っています。


社会保険は会社が選べるものではない

社会保険の適用事業所であり、従業員が加入条件を満たしていれば、会社には加入させる義務があります。

つまり、

  • 利益が減るから加入させない
  • 本人が希望しないから加入しない

という判断は、本来できるものではありません。

会社経営で最も重要なのは、まず法令を守ることです。

利益は、その上で追求するものだと私は考えています。


人件費は時給だけではない

コンビニでは、人件費を時給だけで考えてしまいがちです。

しかし、実際の人件費はそれだけではありません。

社会保険に加入する社員がいれば、会社は健康保険や厚生年金などの保険料も負担します。

会社負担額は加入条件などによって異なりますが、給与のおよそ15%前後が一つの目安になります。

例えば、月給20万円の社員が社会保険へ加入すると、

会社は毎月約3万円前後を追加で負担します。

つまり、

月給20万円の社員は、会社から見ると約23万円の人件費になります。

私は年間予算を作る際、この「見えない人件費」まで含めて計算しています。

人件費を正しく把握しなければ、本当の利益は見えてきません。


現場には理想と現実がある

私は以前から、加入条件を満たす社員には社会保険へ加入してもらっています。

しかし私の経験では、加盟店全体を見ると、社会保険へ加入している店舗はまだ多くない印象があります。

理由は単純です。

会社負担が利益を大きく圧迫するからです。

多くのオーナーも、本当は加入させたいと思っているはずです。

長く働いてくれるスタッフには安心して働いてほしい。

社会保険にも加入してもらいたい。

そう考えているオーナーは少なくありません。

それでも現実には、

利益が十分に残らず、加入したくても簡単には踏み切れない店舗があることも事実です。

私は、この現実を責めるつもりはありません。

だからこそ、

法令を守りながら利益を残せる経営環境が必要だと考えています。


社会を取り巻く環境は大きく変わった

最低賃金の上昇。

社会保険料の負担。

慢性的な人手不足。

人口減少。

コンビニ経営を取り巻く環境は、この10年で大きく変わりました。

売上が高く、十分な利益を確保できている店舗であれば、こうしたコストにも対応しやすいでしょう。

しかし現実には、売上規模が比較的小さい店舗では、社会保険への対応が経営の死活問題になっているケースも少なくありません。

私の感覚では、全体の3〜4割程度の店舗では、この問題を深刻に受け止めているのではないかと感じています。


本部に期待したいこと

私は、本部を批判したいわけではありません。

しかし、これからの時代は、法令遵守を前提とした経営モデルを本部と加盟店が一緒に考えていく必要があると思っています。

例えば、

  • 社会保険料を含めた人件費モデル
  • 法令遵守を前提とした損益分岐点
  • 適正な利益を確保するための経営指標

こうした考え方や数字を本部が加盟店へ示すことで、オーナーの経営意識も変わるはずです。

また、本部担当社員も同じ基準を共有することで、現場へのアドバイスや支援の方向性もより実態に合ったものになるでしょう。

私は、こうした取り組みが結果として、

加盟店・本部の双方にとって強い組織づくりにつながる

と考えています。


法令遵守と利益は両立できなければならない

私は利益を追い求めること自体を否定しているわけではありません。

しかし、その利益は、

法令を守った上で生み出される利益でなければ、長く続く会社にはならない

と思っています。

法令を守ることが利益を圧迫する経営ではなく、

法令を守ることを前提として利益を残せる経営。

それが、これからのコンビニ経営に求められる姿ではないでしょうか。


まとめ

日本は人口減少社会に入りました。

これからは、人を集める時代ではなく、

「人に選ばれる会社」

が生き残る時代です。

社会保険は、そのための単なるコストではありません。

安心して働ける職場をつくるための責任であり、会社の未来への投資でもあります。

だからこそ、本部・加盟店・スタッフが同じ方向を向き、

法令を守りながら利益を残せる仕組みをつくっていくこと。

私は、それがコンビニ業界の持続的な発展につながると信じています。

そして、本部が法令遵守を前提とした損益分岐点や経営モデルを示すことで、オーナーの意識も、本部担当者の意識も変わり、結果としてセブン‐イレブン全体の組織力がさらに高まると考えています。

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