こんにちは、コンビニ大家です。
セブン‐イレブン・ジャパンの阿久津社長は、「平均日販80万円」という目標を掲げています。
私は、この目標自体は非常に前向きなものだと思っています。
売上が伸びれば、加盟店も本部も利益を伸ばせる可能性があるからです。
しかし、現役オーナーとして考えたいのは、
「現在のビジネスモデルのままで、本当に利益は増えるのか。」
という点です。
今回は、第68話のモデルケースをもとに、新制度と最低賃金1,500円を前提としてシミュレーションしてみます。
※今回の試算は一例です。契約条件や営業時間、地域、店舗規模などによって実際の数値は異なります。
シミュレーション条件
売上条件
- 平均日販80万円
- 月商2,400万円
- 売上総利益率30%
- 月間売上総利益720万円
労働条件
- 店舗総労働時間 1,350時間
- オーナー夫婦 301時間
- スタッフ 1,049時間
- 最低賃金 1,500円
- 深夜割増賃金は考慮しない
店舗の運営体制は、第68話と同じ条件で計算します。
旧制度と新制度を比較する
売上総利益720万円の場合、
| 項目 | 旧制度 | 新制度 |
|---|---|---|
| 本部チャージ | 449万6,000円 | 416万4,000円 |
| オーナー利益 | 270万4,000円 | 303万6,000円 |
今回の制度改正によって、
- 本部チャージは33万2,000円減少
- オーナー利益は33万2,000円増加
という結果になります。
チャージ軽減によって利益が改善することが分かります。
新制度で営業利益を計算すると
オーナー利益303万6,000円から、
- スタッフ人件費 157万3,500円
- 実質廃棄額 33万1,500円
- 実質水道光熱費 6万円
- その他経費 10万円
を差し引くと、
月間営業利益は約97万円
年間営業利益は約1,165万円
となります。
オーナー夫婦の時給はどうなるのか
営業利益約97万円をオーナー夫婦の労働時間301時間で割ると、
約3,220円/時間
となります。
もちろん、この営業利益から税金や借入金返済などを支払う必要があるため、この金額がそのまま自由に使えるお金ではありません。
ただし、実際には仕事量も増える
今回のシミュレーションでは、第68話との比較を分かりやすくするため、店舗総労働時間は1,350時間のままで計算しました。
しかし実際には、日販80万円規模になると、
- レジ対応
- 品出し
- 発注
- 清掃
- 商品管理
などの業務量は確実に増えます。
私の経験では、1日3〜4時間程度スタッフの労働時間が増える店舗も少なくないと思います。
月間では約90〜120時間の増加です。
最低賃金1,500円で計算すると、
毎月約13万5,000円〜18万円の人件費増加となります。
さらに、社会保険加入対象者が増えれば、会社負担分として毎月約10万〜15万円程度の経費増加も考えられます。
つまり、
- 人件費 約13万5,000円〜18万円
- 社会保険料 約10万〜15万円
合計すると、
月間約25万〜30万円
年間約300万〜360万円
の経費増加が見込まれる可能性があります。
今回のシミュレーションには、この増加分は反映していません。
実際には営業利益はさらに少なくなる可能性があります。
私の考え
私は、阿久津社長が掲げる平均日販80万円という目標を応援しています。
しかし、
目標は約束ではありません。
人口減少、最低賃金の上昇、物価高、社会保険加入の拡大、エネルギー価格の上昇など、未来にはさまざまな変化があります。
どれだけ優秀な経営者でも、未来の売上を保証することはできません。
だからこそ、経営者がやるべきことは、どのような環境でも利益を残せる仕組みを作り続けることだと思います。
私は今回発表された新制度について、現在分かっている社会の変化には十分対応できる制度だと評価しています。
もちろん、制度も社会もこれから変化し続けます。
本部と加盟店が協力し、その時代に合った制度へ改善を重ねていくことが、コンビニ業界全体の発展につながると考えています。
まとめ
平均日販80万円は、コンビニ業界にとって大きな目標です。
しかし、本当に重要なのは売上だけではありません。
利益が残る仕組みを作り、働く人が安心して働ける環境を維持することです。
未来は誰にも分かりません。
だからこそ、あらゆる未来を想定し、今日できる改善を積み重ねていくこと。
それこそが、これからのコンビニ経営で最も重要なことだと私は考えています。
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