はじめに
政府は、全国平均最低賃金を1,500円まで引き上げる目標を掲げています。
参考記事: 毎日新聞「最低賃金『全国平均1500円』先延ばし 政府が目標見直しへ」
実現時期についてはさまざまな議論がありますが、人件費が今後も上昇していく流れは、多くのコンビニオーナーにとって避けて通れない課題です。
しかし、本当に知りたいのは、
「最低賃金が1,500円になったら、自分の店の利益はどう変わるのか。」
ではないでしょうか。
今回は、SEMCを使って、自店舗を想定したシミュレーションを行いました。
シミュレーション条件
今回の前提条件は次のとおりです。
- 契約タイプ:Cタイプ
- 加盟年数:5年以上
- 平均日販:65万円
- GP率:31.0%
- 営業日数:30日
- 人時:47時間/日
- 廃棄率:2.5%
- その他経費は同条件
変更したのは平均時給だけです。
現在の人件費を想定した場合

平均時給:約1,200円
この場合、
- 人件費:1,332,000円
- 最終利益:649,000円
- オーナー夫妻平均時給:2,163円
という結果になりました。
最低賃金1,500円を想定した場合

最低賃金1,500円を想定し、深夜割増も含めた平均時給を約1,622円としてシミュレーションしました。
結果は、
- 人件費:1,800,000円
- 最終利益:181,000円
- オーナー夫妻平均時給:603円
となりました。
比較結果
| 項目 | 現在 | 最低賃金1,500円想定 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 平均時給 | 1,200円 | 1,622円 | +422円 |
| 人件費 | 1,332,000円 | 1,800,000円 | +468,000円 |
| 最終利益 | 649,000円 | 181,000円 | ▲468,000円 |
| オーナー夫妻平均時給 | 2,163円 | 603円 | ▲1,560円 |
今回の条件では、人件費の増加額と最終利益の減少額がほぼ同じ結果となりました。
特に印象的だったのは、オーナー夫妻の平均時給が2,163円から603円まで低下したことです。
売上を伸ばすだけでは解決できない
「売上をもっと伸ばせばいい。」
そう考える方もいるかもしれません。
しかし、売上を伸ばすために
- 人件費が増える
- 廃棄が増える
- 作業量が増える
ようでは、利益は思うように残りません。
売上だけを追いかける経営では限界があります。
私なら最初に見直すこと
最低賃金が上昇した場合、私が最初に見直すのは売上ではありません。
まず改善するのは、
- 基本シフト
- 作業効率
- 発注精度
- 廃棄予算
- 人時管理
です。
これらはオーナー自身が改善できる数字だからです。
店舗努力で改善できる部分は、まだ数多くあります。
しかし、店舗努力だけでは限界もある
今回のシミュレーションでは、平均時給を1,200円から1,622円へ変更しただけで、
- 人件費は46万8,000円増加
- 最終利益は46万8,000円減少
- オーナー夫妻平均時給は603円
という結果になりました。
もちろん、これは今回設定した条件でのシミュレーションであり、すべての店舗に当てはまるわけではありません。
しかし、この結果を見る限り、政府が掲げる2030年代に向けた最低賃金1,500円という目標に対して、現状のままでは店舗努力だけで対応することが難しい店舗も出てくると私は感じています。
だからこそ、オーナー一人ひとりが感情ではなく数字を持って、本部へ論理的に提言していくことも必要ではないでしょうか。
「苦しい」「大変だ」と訴えるだけではなく、
- 人件費はいくら増えるのか
- 利益はいくら減るのか
- 店舗努力でどこまで吸収できるのか
- 制度として何が必要なのか
を数字で示すことが、建設的な議論につながると考えています。
私は本部を批判したいのではありません。
加盟店と本部が同じ数字を見ながら課題を共有し、持続可能なコンビニ経営を一緒に考えていくことが、このブログの目的の一つです。
まとめ
最低賃金の上昇は、これからのコンビニ経営に大きな影響を与えます。
しかし、不安になるだけでは何も変わりません。
まずは自店舗の数字を把握し、
- 人件費
- 廃棄
- 売上
- GP率
- チャージ
を総合的に分析しながら、利益を残す方法を考えることが重要です。
SEMCは、そのための経営判断をサポートするツールとして開発しました。
数字を味方につけ、変化に対応できるコンビニ経営を一緒に目指していきましょう。
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