フランチャイズに寿命はある?|50年続いたコンビニが直面する「人手不足」とビジネスモデルの限界【第140話】

フランチャイズに寿命はある?|50年続いたコンビニが直面する「人手不足」とビジネスモデルの限界【第140話】 コンビニ経営

こんにちは、コンビニ大家です。

10年以上コンビニを経営してきて、最近よく考えることがあります。

それは、

「このビジネスモデルは、10年後も同じように利益を生み出せるのか?」

ということです。

私は、フランチャイズにも寿命はあると思っています。

ただし、契約期間が終わるという意味ではありません。

時代の変化に対応できなくなり、今までのやり方では利益を残せなくなったとき、ビジネスモデルは実質的な寿命を迎える。

そう考えています。

一方で、私は歴史のあるビジネスには、それだけで大きな強さがあるとも思っています。

なぜなら、長い年月を生き残ってきたということは、

それだけ長い期間、社会から必要とされてきた証拠でもあるからです。


歴史のあるビジネスは強い

私は、資産形成を考えるときにも、このことを意識しています。

株式。

不動産。

コンビニ。

どれも決して新しいビジネスではありません。

株式市場にも長い歴史があります。

不動産も、人が暮らし、働く限り必要とされます。

そしてコンビニも、日本で約50年にわたって発展してきました。

もちろん、

「歴史が長いから絶対に儲かる」

という意味ではありません。

時代が変われば、収益性も変わります。

競争も激しくなります。

新しい技術によって、これまでの常識が変わることもあります。

それでも、

長い歴史の中で何度も環境が変わってきたにもかかわらず、今も根強い需要が残っている。

これは非常に大きな強みだと思っています。

私は事業や資産形成を考えるとき、

「一時的に人気があるもの」より、「長い時間をかけても必要とされるもの」

を大切にしています。


新しいビジネスが長く続くとは限らない

最近は、AIやITを活用した新しいビジネスが次々と生まれています。

もちろん、新しい技術には大きな可能性があります。

しかし、

新しいから長く続くとは限りません。

一時的なブームによって急成長するビジネスもあります。

店舗が一気に増えることもあります。

売上が急激に伸びることもあります。

しかし、

ブームが終わった後も需要が残るのか。

競合が増えても利益を維持できるのか。

10年後、20年後にも必要とされるのか。

これは別の問題です。

だから私は、事業を見るとき、

「今どれだけ流行っているか」

だけではなく、

「長い時間をかけても必要とされるものなのか」

を見るようになりました。


一点突破型のビジネスには大きな破壊力がある

世の中には、一つの商品やサービスに集中するビジネスがあります。

いわゆる、

「一点突破型」

のビジネスです。

こうしたビジネスには、大きな魅力があります。

商品がヒットすれば、一気にブランドを確立できます。

人気が高まれば、短期間で店舗を増やすこともできます。

大きなブームをつくることができれば、非常に大きな利益を生み出す可能性もあります。

一方で、

一つの需要に依存するリスク

もあります。

消費者の好みが変わる。

ブームが終わる。

競合商品が増える。

市場そのものが縮小する。

そうなったとき、次の柱がなければ、それまでの勢いを維持することは簡単ではありません。

私は、

一点突破型のビジネスは、破壊力が大きい反面、長く続けるには次の柱が必要になる

と考えています。


乃が美のFC問題から考えたこと

このことを考えるきっかけの一つになったのが、高級食パン「乃が美」のFC問題です。

乃が美は、高級食パンブームの中で急速に店舗を拡大しました。

その後、FC店舗側と本部との間で、売上低下やロイヤリティなどをめぐる対立が報じられ、契約解除などをめぐる法的な争いにも発展しました。

私は、本部と加盟店のどちらが正しいのかを判断したいわけではありません。

ここで考えたいのは、

「売れる商品」と「長く続くビジネスモデル」は、必ずしも同じではない

ということです。

大きなブームが起きれば、店舗を急速に増やすことができます。

しかし、消費者のニーズが変わったとき、そのビジネスモデル自体を変えられるかどうかが重要になります。

フランチャイズに加盟するときには、

「今、売れるか」だけではなく、「10年後も需要があるのか」

まで考える必要があると思っています。


コンビニは「多様性」のあるビジネス

一方、コンビニは一点突破型とは少し違います。

弁当。

おにぎり。

飲料。

菓子。

日用品。

冷凍食品。

ATM。

公共料金の支払い。

宅配便。

さまざまなサービス。

時代に合わせて、さまざまな商品やサービスを取り込んできました。

消費者の生活が変われば、売れる商品も変わります。

共働き世帯が増えれば、求められる商品が変わります。

高齢化が進めば、必要とされるサービスも変わります。

キャッシュレスが普及すれば、決済方法も変わります。

そしてコンビニは、その変化に合わせて姿を変えてきました。

昔のコンビニと、現在のコンビニは同じではありません。

それでも、

「生活の身近な場所にある」

という役割は残っています。

私は、ここがコンビニの大きな強さだと思っています。


50年続いたのは「変わらなかったから」ではない

コンビニは、日本で約50年にわたって発展してきました。

例えばセブン‐イレブンは、国内2万店を超える規模まで店舗網を広げています。

もちろん、すべての店舗が同じ売上や利益を出しているわけではありません。

立地も違います。

地域も違います。

客層も違います。

競合環境も違います。

それでも、基本となる仕組みを全国のさまざまな地域で展開できる。

これはフランチャイズとして、非常に高い再現性があるということです。

商品開発。

物流。

POSシステム。

店舗運営。

研修。

販売ノウハウ。

こうした仕組みを本部が構築し、加盟店が利用する。

だからこそ、全国に同じブランドの店舗を展開することができます。

私は、

「50年間変わらなかったから続いた」のではなく、「50年間変わり続けたから続いた」

のだと思っています。

その積み重ねによって、コンビニは単なる小売店ではなく、

国民生活の一部

になったのではないでしょうか。


フランチャイズの強さは「再現性」

私は、フランチャイズの大きな魅力は、

一から事業をつくらなくても、すでにある仕組みを利用できること

だと思っています。

商品を開発する。

仕入れ先を探す。

物流を構築する。

店舗システムをつくる。

ブランドをつくる。

集客方法を考える。

これをすべてゼロから始めるのは簡単ではありません。

フランチャイズなら、本部が長い時間と資金をかけて作ってきた仕組みを利用できます。

もちろん、その代わりに加盟金やロイヤリティなどのコストがあります。

利益のすべてを自分のものにできるわけでもありません。

つまり、

リターンの一部を本部と分ける代わりに、自分一人では構築できない仕組みを利用する。

私は、これがフランチャイズの本質だと思っています。


リターンは大きくない。でも、リスクも抑えやすい

私は、フランチャイズは、

「大きなホームランを狙うビジネス」ではなく、「再現性のある仕組みを利用して事業を始める方法」

という側面が強いと思っています。

もちろん、コンビニ経営にも借入金、人件費、競争などのリスクがあります。

決して簡単な仕事ではありません。

ただ、ゼロから新しいビジネスを立ち上げる場合と比べれば、事業開始時の不確実性を抑えやすい。

言い換えれば、

リターンはそれほど大きくなくても、仕組みを利用することで事業のリスクを抑えやすい。

私は、このバランスにフランチャイズの魅力があると思っています。


ただし、コンビニも脅威にさらされている

ここが、今の私が一番考えているところです。

コンビニそのものの需要がなくなったわけではありません。

忙しい人が手軽に食事を買う。

高齢者が近くで買い物をする。

ATMを利用する。

荷物を受け取る。

公共料金を支払う。

こうした生活に密着した需要は、これからも残ると思っています。

問題は、

「需要がある=今までと同じビジネスモデルで利益が出る」

とは限らないことです。


売上があっても利益が残らない時代へ

コンビニ経営を長く続けていると、ここを強く感じます。

最低賃金は上がっています。

人手不足もあります。

物価も上昇しています。

社会保険料などの負担もあります。

そして、アルバイトだけではありません。

店舗を支える店長や社員にも、当然、適切な待遇が必要です。

働く人の待遇を良くすることは、これからの店舗経営に欠かせません。

しかし、その一方で、

人件費の上昇を売上や利益の伸びで吸収できなければ、経営は苦しくなります。

売上が増えていても、

人件費。

光熱費。

廃棄。

設備費。

その他の経費。

こうしたコストの上昇がそれを上回れば、手元に残る利益は減ってしまいます。

つまり、

コンビニに需要がなくなったのではありません。

その需要を、従来と同じ方法で利益につなげることが難しくなっている。

私は、現在のコンビニ経営の大きな課題はここにあると思っています。


人材集約型のビジネスから脱却する

だから私は、これからのコンビニ経営には、

「人材集約型のビジネスからの脱却」

が必要だと思っています。

もちろん、

「人を減らせばいい」

という意味ではありません。

むしろ逆です。

人にしかできない仕事に、もっと人の力を使うためです。

AI。

省人化設備。

システム。

自動化。

こうした技術を活用して、人への依存度を下げていく。

そして、人にしかできない仕事に時間を使ってもらう。

その結果として、

スタッフの労働環境を改善し、店長や社員の待遇も引き上げる。

これが、これからのコンビニに必要な方向性だと思っています。


オーナーが現場から離れることにも意味がある

これは、私自身の経営でも意識しています。

オーナーが現場に入り続ければ、一時的には人件費を抑えられます。

しかし、それを続ければ、

オーナー自身が休めない。

店長や社員に仕事を任せられない。

経営について考える時間もなくなる。

私は、オーナーが現場から離れることには大きな意味があると思っています。

シフトに余力が生まれるからです。

オーナーが穴を埋めるのではなく、店舗側に余裕を持たせる。

そうすれば、

店長が休める。

社員が休める。

スタッフも無理なシフトを組まなくて済む。

結果として、労働環境の改善につながります。

そしてオーナー自身にも、

経営を勉強する時間

が生まれます。

コンビニ経営を学ぶ。

税務を学ぶ。

資産形成を学ぶ。

新しい収入源をつくる。

心身ともに余力が生まれれば、時間を自分のためにも使えるようになります。

私は、これも経営者にとって大切な利益だと思っています。


一つのビジネスモデルに人生を依存しない

私は、コンビニというビジネスモデルを否定しているわけではありません。

むしろ、約50年にわたって変化しながら続いてきたこと自体が、大きな強さだと思っています。

ただ、

一つのビジネスモデルを信じることと、一つのビジネスモデルに人生を依存することは違います。

私はコンビニ経営を続けながら、

不動産。

株式。

その他の収入源。

こうしたものを少しずつ育てています。

コンビニを辞めたいからではありません。

コンビニだけに依存しない経営をしたいからです。

コンビニで得た利益を、そのまま消費してしまうのではなく、次の収入源や資産へ移していく。

そうすることで、少しずつ経営者自身の選択肢が増えていきます。

私は、これもコンビニ経営の大きな魅力の一つだと思っています。


歴史のあるビジネスにも「変化」は必要

ここまで書いてきたように、

歴史のあるビジネスは強い。

私はそう考えています。

株式も、不動産も、コンビニも、長い歴史の中で形を変えながら現在まで残ってきました。

そこには、

「人が必要とするもの」

という根本的な需要があります。

しかし、

歴史があるから、これからも永遠に安泰というわけではありません。

むしろ、歴史が長いビジネスほど、時代の変化に対応し続ける必要があります。

昔と同じ商品。

昔と同じ売り方。

昔と同じ働き方。

それだけでは、いつか限界が来ます。

だからこそ、

守るべきものは守り、変えるべきものは変える。

このバランスが重要なのだと思います。


フランチャイズの寿命を考えることは、自分の経営の寿命を考えること

私は、フランチャイズに寿命があること自体は悪いことではないと思っています。

時代が変われば、ビジネスモデルも変わる。

それは自然なことです。

大切なのは、

「この仕組みは、10年後も働く人を守りながら利益を残せるのか?」

と考え続けることです。

今、儲かっているから大丈夫。

50年続いているから大丈夫。

有名なブランドだから大丈夫。

それだけではありません。

経営者自身が、

「次に何が変わるのか」

を考えなければならないと思います。


まとめ

フランチャイズには、

再現性

という大きな強みがあります。

一から事業をつくらなくても、すでに構築された仕組みを利用できる。

その代わり、自由の一部を手放し、本部へ一定のコストを支払います。

一点突破型のビジネスには、大きな破壊力があります。

一方、コンビニには多様性があります。

さまざまな商品やサービスを取り込みながら、時代の変化に対応してきました。

50年間変わり続けたからこそ、国民生活の一部になった。

私はそう考えています。

そして、株式や不動産のように、昔から存在し、今も根強い需要があるものにも同じことが言えると思っています。

長く続いていることは、それだけで一つの強さです。

ただし、

長く続くためには、変わり続けなければならない。

コンビニも例外ではありません。

需要がなくなったわけではありません。

従来のビジネスモデルだけでは、利益を残しにくくなっている。

特に、人手不足と人件費の上昇は大きな課題です。

だからこそ、

人材集約型のビジネスから少しずつ脱却する。

AIや省人化を活用する。

働く人の待遇を守る。

オーナー自身も現場から離れ、経営を考える時間をつくる。

そして、一つの事業だけに依存せず、複数の収入源を育てる。

私は10年以上コンビニを経営してきて、そう考えるようになりました。

50年続いたから強いのではない。

50年間、変わり続けたから強い。

そして、これからも続いていくためには、

変えてはいけないものと、変えなければならないものを見極める必要があります。

コンビニにとって、それが今、

「人材集約型のビジネスからの脱却」

なのだと思います。

需要を守りながら、働く人を守る。

利益を残しながら、オーナー自身の時間も守る。

そして、コンビニで得た利益を次の資産へ移していく。

事業を守るだけではなく、事業から生まれた時間と利益を、次の未来につなげる。

私は、これがコンビニ経営の次のステージだと思っています。

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