コンビニ経営は売上より利益|日販1万円アップでも利益は思ったほど増えない理由【第42話】

現場で考えるのは「次の10年」のこと 数値管理

こんにちは、コンビニ大家です。

コンビニオーナーになると、

「日販が1万円上がれば利益も大きく増えますよね。」

と聞かれることがあります。

確かに数字だけを見ると、そのように思うかもしれません。

しかし、10年以上コンビニを経営してきた私の経験では、Cタイプ契約では売上が増えても利益は想像以上に増えません。

私は、この仕組みを理解してから経営の考え方が大きく変わりました。

売上を追いかける経営ではなく、利益を残す経営へ。

今回は、実際のシミュレーションを使って、その理由をご紹介します。


私のシミュレーション結果

前提条件は次のとおりです。

  • Cタイプ契約
  • 24時間営業
  • 複数店減額適用
  • 加盟5年以上
  • 粗利率31%
  • 人件費・その他経費は同条件

日販65万円と66万円を比較

項目日販65万円日販66万円増減
商品売上高1,950万円1,980万円+30万円
売上総利益(GP)604万5,000円613万8,000円+9万3,000円
7-11チャージ320万150円326万2,460円+6万2,310円
雑収入加算後収入289万4,850円292万5,540円+3万690円
廃棄48万7,500円49万5,000円+7,500円
人件費132万円132万円±0円
最終利益84万2,350円86万5,540円+2万3,190円

売上30万円アップでも利益は約2万円

この結果を見て驚いた方もいるかもしれません。

日販が1万円上がると、

月間では売上が30万円増えます。

しかし、

最終利益は約2万3,000円しか増えていません。

つまり、

30万円売上が増えても、利益として残るのは約7.7%です。

もちろん、

これは私の契約条件で計算したシミュレーションです。

契約内容や粗利率によって数字は変わります。

それでも、

売上ほど利益は増えない。

これはCタイプ契約の大きな特徴だと思います。


Cタイプ契約は累進課税に似た仕組み

以前の記事でもご紹介しましたが、

Cタイプ契約は粗利益が増えるほどチャージ率も高くなる仕組みです。

イメージとしては、

所得税の累進課税に少し似ています。

もちろん、

これはセブン‐イレブンが長年築き上げてきた、

ブランド。

商品開発。

物流。

システム。

これらを利用できるフランチャイズだからこその契約です。

私はこの仕組みを否定したいわけではありません。

ただ、

利益の残り方を理解した上で経営することが重要だと思っています。


売上だけを見ると判断を間違える

例えば、

日販を1万円伸ばすために、

スタッフを一人増やしたとします。

販促を強化したとします。

売場を広げたとします。

確かに売上は伸びるかもしれません。

しかし、

そのために

  • 人件費が3万円
  • 販促費が1万円

増えたらどうでしょう。

利益はほとんど残りません。

場合によっては、

売上は伸びたのに利益は減る。

そんなことも十分に起こります。

だから私は、

販売促進を考える時、

「売上がいくら伸びるか」ではなく、

「利益がいくら残るか」

を基準に判断してきました。


インフレ時代はさらに利益が残りにくい

以前の記事でも紹介しましたが、

現在は最低賃金が毎年4〜5%程度上昇しています。

さらに、

社会保険料。

光熱費。

物流費。

消耗品費。

修繕費。

こうしたコストも年々増えています。

つまり、

売上が少し増えた程度では、

利益を維持することすら難しい時代になっています。

私はこれを、

「成長して現状維持」

と表現しています。

売上が伸びても、

利益が残らなければ、

会社は成長しているとは言えません。


本部とオーナーでは見る数字が違う

私はこれまで、

本部社員から

「販売促進をやりましょう。」

「もっと売上を伸ばしましょう。」

という提案を受けることが何度もありました。

もちろん、

売上を伸ばすという意味では間違っていません。

本部は、

チェーン全体の売上。

ブランド価値。

市場シェア。

加盟店全体を見ています。

一方、

オーナーが守らなければならないのは、

利益です。

利益が残らなければ、

設備投資もできません。

スタッフの待遇改善もできません。

借入返済もできません。

どちらが正しいという話ではありません。

立場が違うだけです。

だから私は、

本部の提案を参考にしながらも、

最後は必ず自分でシミュレーションします。

「売上は増えるか。」

ではありません。

「利益は残るか。」

これが私の判断基準です。


売上は結果、利益は経営

私は以前から、

「売上はお客様が決めるもの。」

と言っています。

景気。

天候。

競合店。

立地。

売上には、

自分ではコントロールできない要素がたくさんあります。

しかし、

利益は違います。

予算管理。

人件費。

廃棄ロス。

販売促進。

発注精度。

設備投資。

これらは、

経営者自身の判断で改善できます。

だから私は、

売上より利益を見るようになりました。

利益は、

経営者がつくる数字だからです。


まとめ

今回のシミュレーションでは、

日販を1万円伸ばし、

月売上が30万円増えても、

最終利益は約2万3,000円しか増えませんでした。

もちろん、

これは私の契約条件を前提とした試算です。

しかし、この数字から学べることがあります。

コンビニ経営は、

売上を競うゲームではありません。

利益を残し、長く経営を続けるゲームです。

だから私は、

販売促進も、

人件費も、

設備投資も、

すべて利益から逆算して考えています。

私は10年以上コンビニを経営してきて、一つ確信しています。

売上はお客様が決めるもの。

利益は経営者が残すもの。

そして、インフレ時代だからこそ、

**「売上を追う経営」ではなく、「利益を残す経営」**が、これまで以上に重要になると私は考えています。

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