従業員独立支援制度をどう考えるか|店長と本気で話し合って出した結論【第66話】

現場で考えるのは「次の10年」のこと 体験談

こんにちは、コンビニ大家です。

現在、セブン‐イレブンには**「従業員独立支援制度」**があります。

これは、一定の勤務条件を満たした従業員がオーナーとして独立した場合、通常より早く**5年経過オーナーと同じインセンティブチャージ(3%軽減)**が適用される制度です。

私が確認している制度では、主な条件は次のとおりです。

  • セブン‐イレブンで通算5年以上勤務(一定条件あり)
  • 週20時間以上勤務
  • 発注担当を2年以上経験
  • 独立後、5年経過オーナーと同じインセンティブチャージ(3%軽減)が適用

この3%の軽減は決して小さな金額ではありません。

店舗の売上総利益によって変動しますが、平均的な売上規模の店舗であれば、月に約16万~20万円、年間では約190万~240万円程度の利益改善につながる可能性があります。

現場経験を積んだスタッフにとっては、とても魅力的な制度だと思います。

しかし、私にはこの制度に関して、今でも忘れられない出来事があります。


私が驚いた出来事

2号店を出店したばかりの頃のことです。

ある日、店長本人が私のところへ来て、本部スタッフから従業員独立支援制度の説明を受けたことを話してくれました。

実は2号店を出店する前から、私は店長に、

「将来は自分でオーナーになるという選択肢もある。」

という話をしていました。

だからこそ店長も一人で悩まず、私へ相談してくれたのです。

おかげで感情的なトラブルにはなりませんでした。

しかし、私は経営者として強い違和感を覚えました。

独立は、一人の人生だけでなく、会社の将来も左右する大きな決断です。

コンビニ経営の多くは、私のような中小企業や個人事業主によって支えられています。

その中で最も難しい仕事の一つが、人材育成です。

店長一人を育てるためには、何年もの時間と教育、人件費、そして現場経験の積み重ねが必要になります。

しかも現在は慢性的な人手不足です。

店長が一人育ったからといって、すぐに代わりを用意できるものではありません。

2号店への出店も、店長が契約期間を通じて店舗運営の中心となり、会社を支えてくれることを前提に、多額の投資と事業計画を立てています。

病気や家庭の事情、本人の意思による退職であれば仕方ありません。

しかし、会社を通さずに育成してきた店長へ直接独立制度を案内することは、加盟店との信頼関係を損ないかねない対応だと私は感じました。

もちろん、これは当時の担当者個人の判断だったのかもしれません。

制度そのものを否定するつもりはありません。

しかし私は、

独立という人生を左右する話だからこそ、まず会社であるオーナーへ相談し、その上で本人へ制度を案内するのが本来の筋ではないか。

今でもそう考えています。


店長と将来について話し合った

私は店長と時間を取り、将来について率直に話し合いました。

  • 本当に独立したいのか
  • 将来どのような人生を送りたいのか
  • 会社に残るという選択肢はどう考えているのか

当社では当時から対象となる社員には社会保険を適用していました。

そこで、

  • 独立した場合の収入
  • 社会保険や年金
  • 税金
  • 将来の生活設計
  • 経営者として必要な能力

まで、一つひとつシミュレーションしました。

私は独立を反対したかったわけではありません。

本人が納得して、自分自身で人生を決めることが何より大切だと考えていたからです。


複数店を目指すなら、本部と認識を共有しておくことが大切

今回の出来事は、たまたま店長が私へ相談してくれたことで、大きな問題にはなりませんでした。

しかし、もし店長が一人で悩み、そのまま独立を決断していたら、会社の経営は大きく変わっていたかもしれません。

複数店経営では、店長は単なる従業員ではありません。

会社の将来を支える最も重要な経営資源の一つです。

現在のコンビニ業界では、人材不足が深刻化し、店長を一人育てること自体が非常に難しくなっています。

だからこそ、複数店を目指すオーナーは、出店前に本部と人材育成や独立支援制度について十分に話し合い、認識を共有しておくことが大切だと私は考えています。

今回の出来事は担当者個人の判断だったのかもしれません。

しかし、この経験を通して私は、本部と加盟店の信頼関係は契約だけでなく、お互いへの配慮と情報共有によって築かれるものだと強く感じました。


まとめ

私は従業員独立支援制度を否定しているわけではありません。

むしろ、現場経験者が独立しやすくなる良い制度だと思っています。

しかし、本当に重要なのは制度そのものではありません。

「独立した後も10年、15年と利益を残し続けられるか。」

私は、その視点で経営を考えています。

制度はチャンスを広げてくれます。

しかし、そのチャンスを生かせるかどうかは、

  • 自分自身の準備
  • タイミング
  • 家族の理解
  • 経営者としての覚悟

によって大きく変わります。

店長と真剣に将来について話し合った経験を通して、私は改めてその大切さを実感しました。

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