こんにちは、コンビニ大家です。
コンビニ経営を始めると、多くのオーナーは、
「日販はいくらあれば安心なのか。」
と売上ばかりを気にします。
しかし、私が最初に計算してほしいのは売上ではありません。
**「損益分岐点」**です。
損益分岐点とは、
オーナー夫婦が生活し、税金や借入金返済を含めて店舗を維持するために必要な最低売上
のことです。
この数字を把握していれば、売上が一時的に下がっても慌てることなく経営判断ができます。
逆に、損益分岐点を知らずに売上だけを追いかけていると、
「売れているのに、お金が残らない」
という状況に陥ってしまいます。
私は、これを知ることがコンビニ経営の第一歩だと考えています。
今回の前提条件
今回は、開業1年目のオーナー夫婦をモデルケースとして計算します。
売上条件
- 日販:65万円
- 月商:1,950万円
- 売上総利益率:30%
- 月間売上総利益:585万円
労働条件
- 店舗基本労働時間:45時間×30日=1,350時間
- オーナー勤務:171時間/月
- 奥さん勤務:130時間/月(週5日・1日5時間)
- 時給:1,100円
生活設計
- オーナー年収:約500万円
- 奥さん年収:約172万円
- 夫婦合計年収:約672万円
本部チャージを差し引く
売上総利益585万円から、本部チャージを差し引きます。
今回のモデルケースでは、24時間営業によるチャージ減額(月額35,000円)を反映すると、
- 本部チャージ:347万4,000円
- オーナー総利益:237万6,000円
となります。
この時点では、まだ店舗運営に必要な経費は差し引かれていません。
主要経費を差し引く
ここから店舗運営に必要な経費を支払います。
- スタッフ人件費:115万3,900円(1,049時間×時給1,100円 ※深夜割増は考慮せず)
- 実質廃棄額:33万1,500円
- 実質水道光熱費:6万円
- その他経費:10万円
主要経費合計:約164万5,000円
その結果、
- 月間営業利益:約73万500円
- 年間営業利益:約876万6,000円
となります。
売上ではなく利益を見る
日販65万円という数字だけを見ると、
「十分売れている店舗」
と思われるかもしれません。
しかし、同じ日販65万円でも利益は大きく変わります。
その理由は、
- 人件費
- 廃棄
- 品減り
- 水道光熱費
などの管理状況によって利益が大きく変わるからです。
年間で見れば、これらの管理だけで利益に数百万円の差が生まれることもあります。
売上は結果であり、利益は経営の成果です。
だから私は、売上を追うのではなく、利益を管理することが重要だと考えています。
年間営業利益とオーナー夫婦の年収は違う
今回のモデルケースでは、
- オーナー夫婦の想定年収:約672万円
- 年間営業利益:約876万6,000円
となりました。
営業利益を見ると、
「876万円も利益があるなら十分では?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、この営業利益はオーナー夫婦が自由に使えるお金ではありません。
営業利益876万6,000円のうち約672万円は、オーナー夫婦が生活するための原資です。
残る約204万6,000円は、店舗経営を継続するための資金として考える必要があります。
さらに、このお金の中から
- 所得税
- 住民税
- 個人事業税
- 国民健康保険・国民年金
- 労働保険料
- 本部への借入金返済
- 将来の設備修繕費
- 予備資金
などを準備しなければなりません。
つまり、
営業利益=自由に使えるお金
ではないのです。
お金の流れ
売上
↓
売上総利益
↓
本部チャージ
↓
営業利益(876.6万円)
↓
オーナー夫婦年収(672万円)
↓
税金・社会保険料・借入金返済・修繕費・予備資金
↓
将来へ残せるお金
開業1年目は現金が残りやすい。でも安心はできない
開業1年目は、開業費を必要に応じて経費計上できるため、帳簿上の利益を調整しやすく、実際には手元に現金が残りやすいケースがあります。
そのため、
「思ったよりお金が残った。」
と感じるオーナーも少なくありません。
しかし、その現金をすべて使ってしまうのは危険です。
会社員時代は、
- 所得税
- 住民税
- 健康保険料
- 年金
などが給与から自動的に差し引かれていました。
一方、個人事業主になると、それらは自分で計算し、納付資金を確保しなければなりません。
さらに、
- 労働保険料
- 個人事業税
- 税理士への報酬
- 社会保険労務士への報酬(依頼する場合)
など、会社員時代にはあまり意識しなかった支出も発生します。
つまり、
手元に現金があることと、自由に使えるお金があることはまったく違います。
開業後3か月以内に年間予算を作ろう
私がおすすめしているのは、
開業後3か月以内に年間予算を作成することです。
最初の3か月が過ぎると、
- 売上
- 人件費
- 廃棄
- 水道光熱費
など、店舗の数字が見えてきます。
その数字を基に年間予算を立てれば、
- 毎月どれだけ利益を残す必要があるのか
- 税金や社会保険料に備えていくら確保すべきか
- 人件費や廃棄は適正なのか
を客観的に判断できるようになります。
逆に年間予算を作らずに経営すると、
「売上はあるのに、お金が残らない。」
という状態に陥りやすくなります。
私は20年以上コンビニ経営を続けていますが、利益が出ていても資金繰りに苦労している店舗を数多く見てきました。
その違いは、
年間予算を立てているかどうか。
売上を管理するのではなく、
お金の流れを管理すること。
それが、コンビニ経営で長く生き残るための基本だと私は考えています。
次回は、この営業利益から税金や社会保険料、本部への借入金返済などを差し引き、実際にオーナー夫婦の手元へいくら残るのかを具体的な数字で計算していきます。
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