Aタイプ・Cタイプでは利益がこんなに違う|競合店ができた時に本当に見るべき数字とは【第120話】

現場で考えるのは「次の10年」のこと 数値管理

競合店ができると、多くのオーナーは売上ばかり気にします。

しかし、本当に見なければならないのは利益です。

同じように売上が5%下がっても、AタイプとCタイプでは利益への影響は大きく異なります。

私はSEMC(Seven Eleven Management Calculator)を使い、同じ条件でシミュレーションしてみました。

その結果、契約タイプによって経営への影響が大きく違うことが分かりました。

シミュレーション条件

  • 契約年数:5年以上
  • 24時間営業
  • 複数店減額あり
  • 地域C
  • 日販65万円
  • 粗利益率31%
  • 人件費132万円
  • 廃棄率2.5%

競合店ができる前を日販65万円、競合店の影響で日販が約5%減少した61万7,500円を比較しました。

シミュレーション結果

契約タイプ日販65万円日販61.75万円利益減少額
Aタイプ約190万円約167万円約23万円
Cタイプ約84万円約71万円約13万円

同じ5%の売上減少でも、利益への影響は契約タイプによって大きく異なります。

さらに注目してほしいのは、売上が同じでも利益そのものが大きく違うことです。

Aタイプは約190万円。

Cタイプは約84万円。

同じ店舗売上でも、毎月100万円以上の利益差があります。

Aタイプはハイリスク・ハイリターン

私はAタイプを、

「ハイリスク・ハイリターン」

だと考えています。

利益は大きくなりますが、その分リスクも大きくなります。

Aタイプは土地や建物を所有しているケースも多く、家賃や物件ローンなど固定費の負担が大きい場合があります。

競合店ができれば売上は下がります。

利益も大きく減ります。

固定費は簡単には減らせません。

利益が大きいから安心というわけではなく、利益が大きい分だけ守らなければならないものも多いのです。

Cタイプはローリスク・ローリターン

一方、Cタイプは利益水準こそ低くなりますが、固定費の負担は比較的小さくなります。

私はCタイプを、

「ローリスク・ローリターン」

と考えています。

今回のシミュレーションでは、売上が約5%下がると利益は約13万円減少しました。

13万円という数字だけを見ると小さく感じるかもしれません。

しかし、税金や住宅ローン、保険料などの支払いは減りません。

つまり、この13万円はそのまま家計へ影響する金額です。

経営者は毎月、この現実と向き合わなければなりません。

数字が分かれば対策も見える

だからこそ、私は予算管理が重要だと考えています。

例えば今回のCタイプのケースなら、

  • 廃棄を月6万円削減する
  • 人件費を月6万円削減する

この2つで約12万円改善できます。

人件費6万円は、1日約2時間の勤務調整です。

廃棄6万円も、売価ベースなら1日約3,000円程度です。

もちろん無理な削減は禁物です。

しかし、数字を把握していれば、

「どこを、どれだけ改善すれば利益を維持できるのか」

が見えてきます。

一方でAタイプは利益減少額が約23万円になります。

この金額をコスト削減だけで吸収するのは現実的ではありません。

だからこそAタイプほど、中長期的な売上対策や資金計画が重要になります。

予算が分かれば優先順位が決まる

競合店ができても、慌てる必要はありません。

まず確認するのは、

  • 納税資金
  • 家計予算
  • 最低限必要な利益
  • 店舗予算

この4つです。

必要な利益が分かれば、

  • 廃棄をどこまで改善するか
  • 人件費をどこまで調整するか
  • 売上をどこまで回復させる必要があるか

優先順位が明確になります。

そして、PDCAを回しながら改善を続ければよいのです。

一過性の対策では長続きしない

競合店ができると、値引きやセールをしたくなる気持ちは分かります。

しかし、一時的なセールは効果を正確に検証することが難しく、継続できなければ意味がありません。

また、「もっと頑張ろう」「気合で乗り切ろう」といった精神論だけでは、スタッフを不安にさせるだけです。

店舗を守るのは精神論ではありません。

数字です。

競合店ができても、データを集め、利益を把握し、改善を続ける。

私は、それが最も現実的で持続可能な経営だと考えています。

最後に

競合店ができれば売上は下がるかもしれません。

しかし、売上だけを見て経営判断をしてはいけません。

本当に重要なのは、その売上で利益がどれだけ残るのかです。

AタイプとCタイプでは、同じ売上でも利益構造は大きく異なります。

だからこそ、自分の契約条件を理解し、予算を立て、利益を管理することが何より重要です。

経営者は未来を予測することはできません。

しかし、数字を把握し、準備することはできます。

私は、競合店対策とは「競合に勝つこと」ではなく、利益を守り、長く営業を続けることだと考えています。

契約タイプは途中で変更できません。

だからこそ、自分の契約条件を正しく理解し、その契約に合った経営をすることが重要です。

私はSEMCを作成したことで、「売上ではなく利益を見る経営」ができるようになりました。

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