はじめに
「利益を追い求める経営」と聞くと、あまり良い印象を持たない人もいるかもしれません。
「お金儲けばかり考えている。」
そんなイメージを持たれることもあります。
しかし、私は長年コンビニを経営してきて、利益に対する考え方が大きく変わりました。
利益とは、お金そのものではありません。
利益とは、経営者の「選択肢」だと私は考えています。
利益があるからこそ未来を選ぶことができます。
利益がなくなると、その選択肢は少しずつ失われていきます。
利益がなければ選択肢はなくなる
利益が少なくなると、一番困るのは生活が苦しくなることだけではありません。
「選べなくなる」のです。
設備を更新したくても更新できない。
スタッフを増やしたくても採用できない。
時給を上げたくても上げられない。
自分が休みたくても休めない。
新しいことに挑戦したくても、その余裕がありません。
利益とは、お金ではなく経営の自由なのです。
利益は家族を守る
経営者には毎月必ず支払わなければならないものがあります。
- 住宅ローン
- 教育費
- 税金
- 社会保険料
- 保険料
利益が減っても、これらの支払いは待ってくれません。
だから私は、利益を追い求めることは家族を守ることでもあると考えています。
利益はスタッフを守る
利益があるから、
- 時給を上げられる
- 人を採用できる
- 無理なシフトを減らせる
- 設備を修理できる
- 働きやすい環境を整えられる
利益はオーナーだけのものではありません。
店舗で働くスタッフ全員の安心につながります。
利益はお客様にも還元される
利益がある店舗は、
- 清掃が行き届く
- 設備を更新できる
- 欠品を減らせる
- スタッフに余裕が生まれる
結果として、お客様が気持ちよく利用できる店舗になります。
利益はサービス品質を維持するためにも必要なのです。
利益は未来への投資
利益は銀行口座に残すためだけのものではありません。
- 新しい設備
- 省エネ機器
- 防犯設備
- DX化
- スタッフ教育
利益があるから未来へ投資できます。
利益がなければ、現状維持だけで精一杯になります。
利益は心の余裕を生む
私が一番大きいと思うのは、ここです。
利益があると、
競合店ができても、
最低賃金が上がっても、
景気が悪くなっても、
冷静に判断できます。
逆に利益が少ないと焦ります。
焦ると、
- 一時的なセール
- 場当たり的な値引き
- 精神論による店舗運営
そんな短期的な判断をしてしまいがちです。
利益とは、冷静に考えるための余裕でもあります。
一番してはいけないのは生活水準を上げること
私が利益よりも大切だと考えていることがあります。
それは、生活水準を上げすぎないことです。
人は一度上げた生活水準を、簡単には下げられません。
利益が出たから高級車を買う。
住宅のグレードを上げる。
毎月の生活費を増やす。
その時は問題なくても、経営環境は必ず変わります。
競合店の出店。
最低賃金の上昇。
物価高。
売上の減少。
それでも、
「車は手放せない。」
「住宅ローンは変えられない。」
「今の生活は維持したい。」
そうなれば、経営ではなく生活を守ることが優先になってしまいます。
利益は生活費ではなく経営資金
店舗で生み出した利益は、本来、
- 設備投資
- 修繕費
- スタッフ教育
- 納税資金
- 生活防衛資金
- 将来への投資
こうした経営を支えるためのお金です。
しかし生活水準を上げすぎると、その利益が生活費へ消えていきます。
本来経営に使うべき資金まで生活費に回り始めたとき、経営の歯車は少しずつ狂い始めます。
税金に手を付けると歯車は狂い始める
私はこれまで、経営が苦しくなり、本来納税のために準備していたお金に手を付けてしまったオーナーを見てきました。
税金を支払うために銀行から借り入れをする。
本来なら設備投資や事業拡大のために使うはずだった与信を、納税資金に使わざるを得なくなる。
こうした状態になると、経営の選択肢は一気に狭くなります。
だから私は、税金は「あとで何とかするもの」ではなく、利益が出た時点で確保しておくべき経営資金だと考えています。
「頑張ること」と「利益が残ること」は違う
経営が苦しくなると、多くのオーナーはさらに一生懸命働きます。
もちろん努力は必要です。
しかし、努力の方向が違えば利益は残りません。
予算管理という考え方がなければ、
何を改善すれば利益が残るのか。
何が原因なのか。
何を優先すべきなのか。
それが見えません。
すると、
「毎日こんなに頑張っている。」
という事実だけが残り、利益は改善しないまま時間だけが過ぎていきます。
信用は少しずつ失われていく
利益が残らない状態が続くと、お金だけの問題ではなくなります。
設備投資は後回しになる。
スタッフへの配慮ができなくなる。
店舗の雰囲気も悪くなる。
そして少しずつ、人が辞めていきます。
銀行からの信用。
取引先からの信用。
スタッフからの信頼。
信用は一日で失われるものではありません。
しかし、一度失えば取り戻すには、お金以上に時間がかかります。
利益は自由を生む
利益があると、
休日を増やせます。
家族との時間をつくれます。
趣味を楽しめます。
勉強する時間も確保できます。
利益とは、自由を買うためのお金でもあります。
利益は選択肢を生む
利益があるから、
守ることもできる。
攻めることもできる。
投資もできる。
休むこともできる。
利益がある店舗ほど、経営の選択肢は増えていきます。
私は利益を増やすこと自体を目的にはしていません。
選択肢を増やすために利益を残したい。
そう考えています。
まとめ|利益とは未来を選ぶ力
私はこれまで、
競合店の出店。
最低賃金の上昇。
人手不足。
物価高。
さまざまな経営環境の変化を経験してきました。
その中で強く感じたことがあります。
利益とは、お金ではありません。
未来を選ぶ力です。
だから私は、利益が出ても生活水準を大きく変えることはしません。
利益は贅沢をするためではなく、将来の選択肢を増やすために使いたいと思っています。
経営者にとって本当の豊かさとは、高級車に乗ることでも、大きな家に住むことでもありません。
環境が変わっても慌てずに判断できること。
家族を守れること。
スタッフを守れること。
そして、自分自身が長く笑顔で経営を続けられること。
私は、それこそが利益の本当の価値だと考えています。
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