はじめに
最近では、
「ボロ戸建てを再生してFIREしました。」
「全空室のアパートを再生して資産を築きました。」
そんな不動産投資の成功談を目にする機会が増えました。
私は、そのような実績を残している方々は本当に素晴らしいと思っています。
物件を見る目。
リフォームの知識。
交渉力。
資金調達。
そして何より、行動力と情熱。
どれが欠けても簡単にできることではありません。
一方で、私は多くの人が同じように再現できる方法かというと、そうではないと感じています。
不動産投資は、物件との出会いや購入価格、融資条件、地域性などによって結果が大きく変わります。
だからこそ私は、一部の成功事例だけを追いかけるのではなく、自分自身が長く続けられ、再現性が高いと思える方法を選んできました。
私にとって不動産事業は、一攫千金を狙うものではありません。
コンビニ経営で生み出した利益と、金融機関からの信用を活用し、10年、20年という長い時間をかけて資産を積み上げていく事業です。
今回は、私が不動産事業を法人で運営している理由についてお話しします。
コンビニと不動産は「役割」が違う
「コンビニは個人事業主なのに、不動産は法人なのですか?」
この質問を受けることがあります。
私の答えは、
「事業の役割がまったく違うからです。」
私は、個人事業主と法人に優劣があるとは考えていません。
それぞれにメリットとデメリットがあり、大切なのは事業の特徴に合わせて選択することです。
私の中では、
コンビニは利益を生み出す事業。
不動産は利益を資産へ変える事業。
という明確な役割分担があります。
コンビニ経営では、毎日売上を作り、利益を積み上げていきます。
しかし、
- 人件費の上昇
- 最低賃金の上昇
- 人材不足
- 店長育成
など、多くの課題も抱えています。
私は現在、コンビニ事業をこれ以上大きく拡大することは考えていません。
加盟店支援制度の見直しなどにより、以前より経営環境は改善していくことを期待しています。
しかし、10年後を考えると、人件費や人材確保の課題がなくなるとは思っていません。
だからこそ、コンビニで生み出した利益を、そのまま生活費として使い切るのではなく、不動産や株式などの資産へ振り分けています。
一つの事業だけに依存しない収入構造を作ること。
それが私の資産形成の基本的な考え方です。
不動産は「毎月大きく儲かる事業」ではない
不動産経営というと、
「毎月家賃が入ってきて楽に儲かる。」
そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、私は実際に不動産経営を続けてきて、そのイメージとは少し違うと感じています。
不動産は、毎月大きなキャッシュを生み出す事業ではありません。
家賃収入は入りますが、その中から
- 借入金の返済
- 固定資産税
- 修繕費
- 管理費
- 空室や設備故障への備え
など、さまざまな支出があります。
そのため、手元に残るキャッシュフローは、想像しているほど大きくありません。
では、なぜ私は不動産へ投資するのでしょうか。
それは、不動産経営の本当の魅力が、
「信用というレバレッジを活用し、長期的に資産を形成できること」
にあるからです。
金融機関から融資を受け、自分の資本に信用というレバレッジをかけることで、一人では購入できない規模の資産を保有できます。
そして、毎月の家賃収入で借入金を返済しながら、少しずつ資産を積み上げていく。
10年後。
20年後。
30年後。
借入金は減り、不動産という資産が手元に残っていきます。
つまり、不動産は、
**「今すぐ大きく稼ぐ事業」ではなく、「時間を味方につけて資産を育てる事業」**なのです。
だから私は、不動産だけで生活しようとは考えていません。
コンビニが利益を生み出し、
不動産が資産を育て、
株式が配当金を生み出す。
それぞれの役割を分けることで、一つの収入源に依存しない資産形成を目指しています。
前半では、私が不動産投資をどのように考えているのか、そしてコンビニと不動産にはそれぞれ違う役割があることをお話ししました。
後半では、私が不動産事業を法人で運営している理由と、現在の経営スタイルについてお話しします。
私が不動産事業を法人にした理由
私が不動産事業を法人で運営している理由は、税金だけが目的ではありません。
一番の目的は、
長期的に資産を守ること。
そして、
内部留保を活用しながら財務基盤を強くすることです。
不動産は購入して終わりではありません。
建物は年数とともに劣化します。
- 外壁塗装
- 屋上防水
- 給湯器の交換
- エアコンの更新
- 大規模修繕
将来、数百万円から数千万円規模の修繕費が必要になることもあります。
その時になって慌てて借入をするのではなく、利益が出ている時から法人に資金を残し、計画的に準備しておくことが重要だと考えています。
だから私は、不動産法人で得た利益は、できるだけ個人へ移すのではなく、
- 借入金の返済
- 将来の修繕費の積立
- 設備投資
- 手元キャッシュの確保
- 内部留保による財務体質の強化
を優先しています。
利益をすぐに個人で使うのではなく、法人に利益を残し、会社そのものを強くしていく。
これが、私が法人を選んだ一番大きな理由です。
私は不動産事業も拡大する予定はありません
「これからも物件を増やしていくのですか?」
そう聞かれることがあります。
しかし、私自身は不動産事業も今以上に大きく拡大する予定はありません。
理由はシンプルです。
私が目指しているのは、
事業規模を大きくすることではなく、安定したキャッシュフローと財務の安定性を維持することだからです。
不動産事業は毎月大きな利益を生み出す事業ではありません。
だからこそ、無理に借入を増やして規模を拡大するよりも、
今ある資産をしっかり守り、内部留保を積み上げながら健全な経営を続けることの方が重要だと考えています。
私が法人で社会保険に加入している理由
現在、私は不動産法人から月額4万5,000円の役員報酬を受け取っています。
報酬は決して高くありません。
それでも、この法人を通じて社会保険へ加入しています。
その理由は、
社会保険料と国民健康保険料を含めた事業全体の負担をシミュレーションした結果、この形が最も合理的だったからです。
個人事業主として利益が増えると、国民健康保険料も大きく増加します。
一方で、法人から適正な役員報酬を受けて社会保険へ加入することで、健康保険や年金を含めた社会保険料を計画的に設計できます。
もちろん、社会保険には会社負担も発生します。
現在の私の場合でも、役員報酬は年間54万円ですが、本人負担と会社負担を合わせた社会保険料は年間約53万円になります。
決して負担が軽いわけではありません。
だから私は、
- 所得税
- 住民税
- 国民健康保険料
- 社会保険料
- キャッシュフロー
これらすべてを毎年シミュレーションしています。
私が考えているのは、
「税金を一番安くする方法」ではありません。
**「税金や社会保険料まで含めて、最終的に手元へ一番お金が残る仕組みを作ること」**です。
専門家も事業ごとに分けています
私は、コンビニ事業と不動産事業では経営形態だけでなく、契約している税理士事務所も分けています。
コンビニ経営と不動産経営では、税務や経営上の考え方が異なる部分も多くあります。
そのため、それぞれの事業に精通した税理士へ相談しながら経営判断を行っています。
もちろん、その分コストはかかります。
しかし私は、その費用を「経費」ではなく、経営判断の精度を高めるための投資だと考えています。
税金は一度判断を間違えると、後から修正することが難しいケースもあります。
だからこそ、
- 設備投資を行うタイミング
- 法人へ利益を残す金額
- 役員報酬の設定
- 社会保険料とのバランス
- 資産形成の進め方
こうした重要な判断は、自分一人で決めることはありません。
私は、信頼できる税理士と何度もシミュレーションを重ね、その上で最終的な判断をしています。
経営者にとって本当に大切なのは、すべてを自分で知ることではありません。
専門家の知識を活用しながら、自分は経営に集中すること。
それが結果として、長く安定した経営につながると私は考えています。
おわりに
私は、
コンビニは個人事業主。
不動産は法人。
という形を選択しています。
しかし、それがすべての人にとって正解だとは思っていません。
利益水準。
家族構成。
事業内容。
将来の目標。
最適な経営形態は、人それぞれ違います。
だからこそ私は、税理士と毎年シミュレーションを行い、その時々で最適な判断をしています。
私が法人化した理由は、節税だけではありません。
利益を内部留保し、時間をかけて会社の財務基盤を強くし、資産を守り続けるためです。
コンビニで利益を生み出し、
不動産で資産を守り育て、
株式で配当金を積み上げる。
それぞれに役割を持たせながら、一つの収入源に依存しない経営を続けること。
それが、10年以上コンビニ経営と不動産経営を続ける中で、私がたどり着いた答えです。
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