前回の記事では、私が資産形成を始めた理由についてお話ししました。
最低賃金の上昇、人手不足、ドミナント戦略、老後への不安。
利益が出ている時期だったからこそ、「今の利益がこの先も続く保証はない」と考え、将来への備えを始めることを決意しました。
しかし、私が最初に始めたのは、不動産投資や株式投資ではありません。
最初に取り組んだのは、小規模企業共済と**iDeCo(個人型確定拠出年金)**でした。
最初に考えたのは「老後資金」と「節税」
個人事業主である私たち夫婦は、公的年金だけで老後生活を送ることは難しいと考えていました。
そのため、まずは老後資金を計画的に準備する必要がありました。
さらに当時は、2号店の経営も安定し、加盟5年によるインセンティブも適用され、開業以来で最も収入が多い時期でした。
収入が増えれば、所得税や住民税の負担も大きくなります。
そこで私が考えたのは、「老後資金を準備しながら節税もできる制度」を活用することでした。
その答えが、小規模企業共済とiDeCoです。
小規模企業共済を選んだ理由
小規模企業共済は、個人事業主や会社役員のための退職金制度です。
掛金は月1,000円から70,000円まで設定でき、支払った掛金は全額所得控除になります。
例えば毎月7万円、年間84万円を積み立てた場合、年間84万円すべてが所得控除の対象になります。
仮に所得税率20%、住民税率10%であれば、
- 所得税:約16万8,000円
- 住民税:約8万4,000円
年間約25万円の節税効果が期待できます。
私が最も魅力を感じたのは、節税効果だけではありません。
貸付制度が利用できることです。
積み立てた掛金の範囲内で貸付を受けられるため、設備投資や店舗修繕など、事業で急に資金が必要になった場合でも対応できます。
老後資金を準備しながら、事業資金にも備えられる。
この柔軟性は、個人事業主にとって非常に心強い制度だと感じました。
一方で、短期間で任意解約すると元本割れする可能性があることや、長期間積み立てる制度であることは理解しておく必要があります。
iDeCoを見直した理由
iDeCoは会社員時代から加入していましたが、個人事業主になってからは運用を止めたままでした。
その後、資産形成について勉強を続ける中で、両学長 リベラルアーツ大学の動画と出会い、長期・積立・分散投資という考え方を学びました。
その考え方に共感し、保有していた資産を見直して、現在は全世界株式と全米株式を中心に運用しています。
iDeCoも掛金は全額所得控除になります。
例えば毎月68,000円、年間81万6,000円を積み立てた場合、所得税率20%、住民税率10%であれば、
- 所得税:約16万3,000円
- 住民税:約8万1,000円
年間約24万円の節税効果が期待できます。
さらに運用益も非課税となるため、長期投資との相性が非常に良い制度です。
もちろん、原則60歳まで引き出せないことや、運用商品によっては元本割れする可能性があることも理解したうえで利用しています。
年間約50万円の節税と資産形成の仕組み化
私の場合、小規模企業共済とiDeCoを活用すると、
- 小規模企業共済:年間84万円
- iDeCo:年間81万6,000円
合計165万6,000円が所得控除の対象になります。
所得税率20%、住民税率10%で試算すると、
年間約50万円の節税効果が期待できます。
もちろん実際の節税額は所得や税率によって異なります。
しかし、利益が出ている個人事業主にとって、この差は決して小さくありません。
年間約50万円ということは、10年間続ければ約500万円です。
制度を知っているかどうか、活用するかどうかで、将来の資産には大きな差が生まれる可能性があります。
しかし、私が本当に作りたかったのは節税ではありません。
資産形成を仕組み化することでした。
先取り貯蓄が資産形成の土台になる
多くの人は、
「生活費が余ったら貯金しよう。」
と考えます。
しかし実際には、余ったお金だけで資産を築くことは簡単ではありません。
だから私は考え方を変えました。
最初に将来の自分へ積み立てる。
つまり、先取り貯蓄です。
小規模企業共済とiDeCoは、毎月自動的に積み立てられるため、感情や意志の強さに左右されることなく資産形成を続けられます。
今振り返ると、この仕組みを最初に作ったことが、現在の不動産投資や株式投資につながる土台になりました。
さらに、この2つの制度だけでも、両学長が提唱する「お金にまつわる5つの力」のうち、
- 貯める力(先取り貯蓄)
- 増やす力(長期・積立・分散投資)
- 守る力(所得控除・税制優遇)
という3つの力を自然に実践できています。
おわりに
資産形成は、いきなり大きな投資から始める必要はありません。
まずは制度を理解し、先取り貯蓄の仕組みを作ること。
その土台ができれば、不動産投資や株式投資へも無理なくステップアップできます。
私自身も、資産形成の第一歩は小規模企業共済とiDeCoでした。
今でも「あの時に仕組みを作って本当に良かった」と感じています。
資産形成は、意思の強さではありません。
仕組みの強さです。
人は、「余ったら貯めよう」と思っていても、日々の生活の中では思うようにお金は残りません。
だからこそ、最初に貯める仕組みを作り、自動的に積み立てる環境を整えることが大切です。
私はこの仕組みがあったからこそ、不動産投資や株式投資へと無理なく資産形成を広げることができました。
これから資産形成を始める方にも、まずは「意思」ではなく「仕組み」を作ることから始めてほしいと思います。
それが、将来の安心につながる最も確実な第一歩だと、私は実感しています。
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