現役オーナーが感じるコンビニ経営の課題|利益が見えない会計システムが招く本当の問題【第90話】

セブンイレブン新契約と現行契約をSEMC Ver2.0で比較し、15年間で約4,184万円の利益差を試算したシミュレーション結果 SEMC使い方講座

こんにちは、コンビニ大家です。

私は20年以上コンビニ経営を続ける中で、一つの大きな課題を感じています。

それは、

「利益をリアルタイムで把握し、経営判断に活用できる環境が整っていないこと」

です。

毎月、本部からは損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)が届きます。

しかし、その数字を確認する頃には、その月の経営はすでに終わっています。

利益は「結果」として確認できますが、「途中で改善するための情報」としては活用しにくいのが現状です。

私は、利益は月末に確認するものではなく、月初の計画と毎日の管理によって作られるものだと考えています。


コンビニの利益計算は非常に複雑

セブン‐イレブンの会計システムは、多くの制度を正確に反映できるよう設計されています。

一方で、経営判断という視点では理解が難しい部分もあります。

例えばCタイプ契約では、

  • 累進チャージ
  • 契約5年経過後のインセンティブ
  • 24時間営業優遇制度
  • 地域別適用金
  • 加盟店支援制度
  • 廃棄支援
  • 水道光熱費支援

など、さまざまな制度が利益に影響します。

制度そのものは合理的ですが、組み合わせが多いため、自店舗の利益をその場で試算するのは簡単ではありません。


利益が見えないと経営は経験や勘に頼りやすくなる

私が最も課題だと感じるのは、オーナー自身が利益をリアルタイムで試算できる環境が十分ではないことです。

利益が見えなければ、

  • 人件費をどこまで使えるのか
  • 廃棄をどこまで許容できるのか
  • 売上が予定より低い場合に何を優先して改善すべきか

といった判断が難しくなります。

担当社員とのミーティングでも、実績の振り返りはできますが、利益を前提にした具体的なシミュレーションをその場で行うことは容易ではありません。

私は、ここに改善の余地があると感じています。


月末の在庫調整が常態化すると何が起こるのか

利益が見えない状態では、月末に在庫を減らし、キャッシュフローを改善しようとする判断が行われることがあります。

短期的には効果がある場合もあります。

しかし、それが毎月のように繰り返されると、別の問題が生まれます。

資金繰りが苦しくなるたびに在庫を減らす経営では、販売機会を逃し、本来得られた利益まで失ってしまう可能性があります。


在庫を減らしてもキャッシュフローが改善しないケース

例えば、月末に高額なたばこの納品が重なれば、発注を抑えていても在庫金額は増えます。

つまり、

在庫を減らす=キャッシュフローが改善する

とは限りません。

商品の構成や納品タイミングによっては、期待した効果が得られないこともあります。


一番大きな損失は「お客様の信頼」を失うこと

私が最も重要だと考えているのはここです。

月末は給料日などもあり、多くのお客様が来店されます。

その時期に在庫を絞り過ぎると、

「いつも買っている商品がない」

という状況が増えてしまいます。

これは一度の売上を逃すだけではありません。

「この店なら欲しい商品がある」という信頼を少しずつ失うことにつながります。

コンビニは地域のお客様に支えられる商売です。

短期的な資金繰りを優先することで、長期的な信頼を失うことは避けたいと私は考えています。


本当に必要なのは月初の利益予算

こうした問題を防ぐために、私は利益予算を月初に作ることを重視しています。

まず売上を予測し、

そこから、

  • 人件費
  • 廃棄
  • その他経費

を決めます。

そして毎日、

「このままいけば月末利益はいくらになるのか」

を確認します。

利益予測が見えていれば、月末になって慌てて在庫を減らす必要も少なくなります。


利益を管理できれば、お客様にもメリットがある

利益管理は、単に利益を増やすためだけではありません。

適切な利益予算を立てることで、

  • 必要な商品を切らさない
  • 適正な人員配置を維持する
  • 無理な経費削減を避ける

ことができます。

その結果、お客様にとっても「いつ来ても安心して買い物ができる店」につながります。

利益管理は、お客様満足と対立するものではなく、むしろ支える仕組みだと私は考えています。


私がSEMSを開発する理由

この考え方を形にしたいと思い、私は利益管理システム「SEMS」を開発しています。

目指しているのは、会計処理を行うシステムではありません。

毎日の数字から月末利益を予測し、必要な対策を早めに打てるシステムです。

利益を「結果」として見るのではなく、「未来を変えるための情報」として活用できる環境を作りたいと考えています。


まとめ

私は、コンビニ経営で最も重要なのは、

利益を見える化し、計画的に管理することだと考えています。

月末になってから利益を確認するのではなく、

月初に利益予算を立て、

毎日数字を確認し、

必要な改善を積み重ねる。

この経営スタイルが、安定した利益と、お客様に選ばれ続ける店舗づくりにつながると信じています。

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