こんにちは、コンビニ大家です。
前回は、売上や利益を改善するために取り組んだことをお話ししました。
数字は少しずつ良くなり始めましたが、一つだけ最後まで悩まされた問題がありました。
慢性的な人手不足です。
コンビニ経営で一番苦しかったのは、売上でも利益でもありません。
「人」の問題でした。
人を選ぶ以前に、応募がありませんでした
当時のコンビニ業界は、今以上に人材不足が深刻でした。
売上はまだ地区平均を下回り、利益にも余裕はありません。
そのため、時給を大きく上げて人を集めることもできませんでした。
求人広告を掲載するだけでも、毎月約8万円。
当時の私たちにとって、その金額は決して小さくありませんでした。
本部社員から、
「人を選びすぎではありませんか。」
と言われたことがあります。
しかし実際は、人を選べる状況ではありませんでした。
そもそも応募が来なかったのです。
半年間求人を出して応募はわずか一人。
さらに酷い時には、約2年間、日本人からの応募が一件もない時期もありました。
外国人の方が面接に来てくださることもありましたが、当時は日本語で十分な意思疎通ができず、接客やレジ業務を安心して任せられる状況ではありませんでした。
「今日、誰か辞めたら明日から営業できるのだろうか。」
そんな不安を抱えながら毎日店に立っていました。
一人の高校生が支えてくれた
そんな厳しい状況の中、オープン時に短期スタッフとして採用した高校生の一人が、そのまま働き続けてくれました。
人が足りない時には率先してシフトへ入り、分からないことも一生懸命覚えてくれる。
その姿に、私たち夫婦は何度も助けられました。
今でも感謝しています。
採用活動は毎日の営業だった
開業から3年ほど経つ頃になると、採用に大きな変化が起きました。
求人広告からの応募は相変わらず多くありません。
しかし、その代わりに増えてきたのが、お客様からスタッフになるケースでした。
もちろん、こちらから
「働いてみませんか。」
と声を掛けた方もいます。
ただ、当時採用したスタッフのほとんどは、もともとお客様として来店されていた方でした。
毎日のように顔を合わせるうちに自然と会話が生まれ、
「ここで働いてみたいです。」
「人が足りないなら手伝いましょうか。」
そんな言葉を掛けていただくことが少しずつ増えていったのです。
実際、その頃お客様だった方の中には、今でも私のお店で働いてくださっているスタッフもいます。
求人広告では出会えなかったご縁でした。
私はこの経験から、
採用活動は求人広告だけでするものではない。
毎日の営業そのものが採用活動なのだ。
そう考えるようになりました。
良い風土が、良い人を集める
長年経営を続ける中で、もう一つ実感していることがあります。
良いお店には良い人が集まる。
そして、その良い人は他社からも評価されます。
実際、私のお店で働くスタッフには、他業種から
「うちで働きませんか。」
と声を掛けられることが、今でもたまにあります。
もちろん経営者としては辞めてほしくありません。
それでも、一人の社会人として評価されている姿を見ると、とても嬉しく思います。
私は、その理由は時給ではないと思っています。
お店の風土です。
そして、その風土を作ってくれた一番の存在は妻でした。
私は数字や利益を見ることが多く、妻はスタッフやお客様との関係づくりを何よりも大切にしていました。
その積み重ねが、お店全体の雰囲気となり、
「ここなら働いてみたい。」
そう思っていただけるお店を作ってくれたのだと思います。
私が大切にしている店づくり
私自身も、その風土を守るために、いくつかのことを大切にしています。
派閥は作らない。
誰かが失敗しても犯人探しはしない。
失敗を責めるのではなく、次に同じことを繰り返さない仕組みを考える。
一方で、不正だけは絶対に許しません。
信頼の上に成り立つ職場だからこそ、不正には徹底的に厳しく対応してきました。
また、一人だけが仕事を抱え込まないよう、お互いが自然に確認し合える環境も意識しています。
出勤した時も、退勤する時も、お店にいるスタッフ全員へ必ず挨拶をする。
誹謗中傷や人間関係のトラブルは放置せず、できるだけ早く話を聞き、解決する。
そして、仕事は必要最低限のことから教え、できるだけシンプルにしてもらうことを心掛けています。
スタッフに重い責任を背負わせることはしません。
困ったことがあれば、最後は経営者である私が責任を持ってフォローします。
スタッフには安心して働いてほしい。
私が求めるのは、一生懸命頑張ってくれることだけです。
良い接客とは作るものではない
私は長年コンビニを経営してきて、一つ確信していることがあります。
良い接客とは、作るものではありません。
良い風土が、良い接客を生みます。
接客マニュアルや教育だけでは、本当の笑顔は生まれません。
スタッフが安心して働ける環境があり、お互いを思いやる風土があるからこそ、お客様への自然な気配りや笑顔が生まれます。
だから私は、接客を教えることよりも、お店の風土を育てることを何より大切にしてきました。
まとめ
この頃になると、売上だけでなく、人にも少しずつ恵まれるようになりました。
数字だけでは、お店は続きません。
利益を生み出すのも人。
お客様にまた来たいと思っていただけるのも人。
そして、人が長く働きたいと思える職場を作るのも人です。
私は今でも、
良いお店には良い人が集まる。
そして、その良い人は他社からも評価される。
そう信じています。
その土台になるのは、お店の風土です。
そして、その風土を育ててくれたのは妻であり、その風土を守り続けることが経営者である私の役割だと思っています。
次回予告
次回は、借入金を返済し、お金に追われる毎日から少しずつ解放されるまでの過程を、実際の数字をもとにお話しします。
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