こんにちは、コンビニ大家です。
コンビニオーナーになる前の私は、
「本部の言う通りに経営すれば、大きな失敗はしない。」
そう思っていました。
説明会を受ける。
開業前研修を受ける。
担当社員から指導を受ける。
全国に何万店もの店舗を展開している本部です。
経験も知識もない自分が考えるより、本部のノウハウに従った方が成功する。
そう信じていました。
実際、開業当初はそれで良かったと思っています。
何も知らない状態で、自分の考えだけで経営しても、それが正しいのか判断できません。
だから私は、本部を信頼して経営を始めました。
しかし、その考え方が変わる出来事が、オープニングセール初日に起こりました。
オープニングセール初日の提案
オープニングセールを成功させるため、担当社員から予約を増やすよう提案されました。
そこまでは、当然のことだと思いました。
売上をつくるために予約を取る。
コンビニ経営では当たり前のことです。
しかし、その後にこう言われました。
「スタッフにも予約をお願いしてください。」
さらに、
「スタッフのご家族や知り合いにも協力をお願いしてください。」
という提案でした。
私は、その場で断りました。
私が断った理由
もちろん、スタッフに予約をお願いすること自体が悪いとは思いません。
協力したいと思うスタッフもいるでしょう。
しかし、その時はまだオープン初日です。
スタッフとの信頼関係は、これから築いていく段階でした。
私は、
まだ何も返せていないスタッフに、最初からお願いばかりすることはできない。
そう考えました。
スタッフには、
「この店で働いて良かった。」
そう思ってもらえるような関係を、まずつくりたかったのです。
売上をつくることも大切です。
しかし私は、
最初に築くべきものは、売上ではなく信頼だ
と考えました。
だから、その提案を断りました。
「そんなことではオーナーはやっていけませんよ」
すると担当社員から、
「そんなことではオーナーはやっていけませんよ。」
と言われました。
当時の私は、かなりショックでした。
本部から見れば、
「オープニングセールを成功させるために必要なことを提案している。」
ということだったと思います。
それに対して私は、
「自分の考え方がおかしいのだろうか。」
「本部の言う通りにした方がいいのではないか。」
と悩みました。
しかし、10年以上経営してきた今でも、
あの日の判断は間違っていなかったと思っています。
本部が間違っていたわけではない
ここは誤解してほしくありません。
私は、本部や担当社員が間違っていたと言いたいわけではありません。
担当社員には、
オープニングセールを成功させたい
という目的がありました。
売上を伸ばすことも、担当社員の重要な仕事です。
その立場から考えれば、スタッフやその家族に協力をお願いするという提案にも理由があります。
一方、私が守りたかったものは違いました。
スタッフとの信頼関係です。
つまり、
どちらが正しいという話ではありません。
立場が違えば、優先するものも違う。
私は、この出来事からそれを学びました。
スポーツにもゲームにもルールがある
私は、コンビニ経営について考える時、
スポーツやゲームと似ている部分があると思っています。
野球には野球のルールがあります。
サッカーにはサッカーのルールがあります。
ゲームにも、それぞれ決められたルールがあります。
ルールがあるからこそ、
その中でどう戦うかを考えることができます。
コンビニ経営も同じです。
本部との契約があります。
店舗運営のルールがあります。
ブランドとして守るべき基準もあります。
オーナーが何でも自由にできるわけではありません。
しかし、
ルールがあることと、自分で考えなくていいことは別です。
決められたルールの中で、
どう売上をつくるのか。
どう利益を残すのか。
どうスタッフを守るのか。
どうお客様に選ばれる店をつくるのか。
そこを考えるのがオーナーの仕事だと思っています。
本部を信頼する。でも任せきりにしない
この出来事をきっかけに、
私は一つの考え方を持つようになりました。
本部の意見は、最大限参考にする。
しかし、
最後の判断は自分でする。
本部には全国の店舗から集まる情報があります。
成功事例もあります。
商品や販売についての専門的な知識もあります。
私自身、本部から本当に多くのことを学びました。
だから、本部を否定するつもりはありません。
むしろ、今でも本部を信頼しています。
ただ、
信頼することと、任せきりにすることは違います。
最後に責任を負うのはオーナー
本部からさまざまな提案を受けます。
販売施策。
商品政策。
設備投資。
人件費。
売場づくり。
どれも経営の参考になります。
しかし、その提案を実行するかどうかを決めるのはオーナーです。
そして、その結果に責任を負うのもオーナーです。
利益が減っても、
借入金を返済するのはオーナーです。
スタッフへ給料を支払うのもオーナーです。
税金を納めるのもオーナーです。
店舗を守るのもオーナーです。
だから私は、
「本部が言ったからやる」
という判断はしないようになりました。
「なぜ必要なのか。」
「自分の店に合っているのか。」
「スタッフにとってどうなのか。」
「お客様にとってどうなのか。」
そして、
「この判断をして、本当に良いのか。」
自分で考えるようになりました。
今の私の判断基準は「人としてどうあるべきか」
10年以上経営してきた今、
私には、経営判断をするときの一つの基準があります。
それは、
「人としてどうあるべきか?」
ということです。
もちろん、経営ですから利益は必要です。
売上も大切です。
効率も考えなければなりません。
会社を守ることも経営者の責任です。
しかし、
利益になるから正しい。
効率が良いから正しい。
とは限りません。
例えば、
売上が上がるとしても、
スタッフに無理をさせることにならないか。
利益が増えるとしても、
お客様に不利益を押し付けることにならないか。
自分にとって都合が良くても、
相手の立場から見たらどうなのか。
私は、そんなことを考えるようになりました。
経営判断の前に、人として判断する
経営者になると、
売上。
利益。
人件費。
コスト。
効率。
数字で物事を考える場面が増えます。
もちろん、それは必要です。
しかし、数字だけで判断してしまうと、
「利益になるなら何をしてもいい」
という考え方にもなりかねません。
私は、それは違うと思っています。
だから今は、
まず、
「人として、どうあるべきなのか。」
を考える。
そのうえで、
「経営として成立するのか。」
を考えるようにしています。
人として間違っていることを、
利益のために正当化しない。
これが、10年以上経営してきた私の現在の考え方です。
経営者として初めて「自分で決めた日」
オープニングセール初日の私は、
まだ経営者として何も分かっていませんでした。
本部を信頼していました。
本部の言うことが正しいと思っていました。
だからこそ、
初めて本部の提案を断る時は不安でした。
「こんなことで本当にやっていけるのだろうか。」
そう思いました。
しかし今振り返ると、
あの日が私にとって、
経営者として初めて自分で判断した日だった
のだと思います。
本部に逆らったわけではありません。
本部を否定したわけでもありません。
ただ、
自分の店について、自分の責任で判断した。
それだけです。
信頼は、実績から生まれる
その後も私は、本部からの提案をすべて拒否したわけではありません。
まず話を聞く。
実際に試す。
数字を見る。
結果を検証する。
良ければ続ける。
自分の店に合わなければ見直す。
そうやって経験を積み重ねてきました。
そして、
自分なりの実績を積み重ねることで、
本部と意見が違った時にも、
「なぜ私はこう考えるのか。」
を数字や経験をもとに説明できるようになりました。
私は、
発言力は肩書きではなく、実績と信頼から生まれる
と思っています。
まとめ
コンビニ経営を始めたばかりの頃は、
「本部の言う通りにすれば成功できる。」
そう思っていました。
その考え方は、経験のない時期には間違っていなかったと思います。
まず基本を学ぶ。
成功事例を真似する。
本部のノウハウを吸収する。
それは非常に大切です。
しかし、経験を積めば、
自分の店は自分で考えなければならない場面が出てきます。
本部には本部の役割があります。
オーナーにはオーナーの役割があります。
だから私は、
本部を信頼する。
本部の提案を参考にする。
数字を見る。
専門家の意見も聞く。
それでも最後は、
自分で決める。
そして現在の私には、
もう一つ大切な判断基準があります。
「人としてどうあるべきか?」
経営者として正しいか。
利益が出るか。
効率が良いか。
もちろん、それも大切です。
しかし、その前に、
「人として、この判断は正しいのか。」
私はまず、そこを考えます。
10年以上コンビニを経営してきて、
私がたどり着いた結論はシンプルです。
経営者とは、本部の言う通りに動く人ではありません。
さまざまな意見を聞き、自分で判断し、その結果に責任を持つ人です。
そして、
人としてどうあるべきかを考えたうえで、自分の店の未来を決めていく。
それが、私にとっての経営です。
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