結論から言います
オーナーの仕事は、スタッフに頑張ってもらうことだけではありません。
スタッフを守ることも、オーナーの重要な仕事です。
第25話では、
スタッフは、お客様を大切にする。
オーナーは、スタッフを大切にする。
という私の考え方を書きました。
しかし、スタッフを大切にするというのは、ただ優しく接することではありません。
スタッフが困ったときに支える。
理不尽な要求から守る。
必要なときにはオーナー自身が前に出る。
そして、
最終的な判断と責任を引き受ける。
私は10年以上コンビニを経営してきて、
これもオーナーの大切な役割だと考えるようになりました。
お客様とスタッフ、どちらかを最初から信用するわけではない
コンビニを経営していると、当然クレームもあります。
もちろん、スタッフ側に問題がある場合もあります。
接客態度が悪かった。
説明が足りなかった。
商品を間違えた。
そうした場合には、きちんと改善しなければなりません。
だから私は、
お客様だから正しい。
とも、
スタッフだから正しい。
とも考えません。
まず、
事実を確認します。
何が起きたのか。
スタッフは何を言ったのか。
お客様は何を求めているのか。
その対応に問題はなかったのか。
できるだけ冷静に確認します。
私は、この「事実確認」を非常に大切にしています。
スタッフの対応に問題がなければ、オーナーが伝える
事実を確認した結果、
スタッフの対応に問題がないと判断することがあります。
その場合、私はスタッフに謝らせるようなことはしません。
お客様に対して、
「確認しましたが、今回のスタッフの対応に問題はありませんでした。」
と、オーナーである私が伝えます。
スタッフを守るために、
オーナーが前に出る必要がある場面です。
スタッフに、
「お客様だから、とりあえず謝っておいて」
と言う方が簡単かもしれません。
しかし、それを繰り返していると、
スタッフは、
「何をしても、最後は自分が悪者になる」
と思ってしまいます。
そんな職場で、安心して働けるでしょうか。
私は、
正しいことは正しいと伝えることも、オーナーの責任
だと思っています。
お客様だから、何を言ってもいいわけではない
もちろん、
お客様は大切です。
お客様がいてくださるからこそ、商売が成り立っています。
そのことは、十分理解しています。
しかし、
「お客様だから、何を言ってもいい」
ということではありません。
スタッフに対して理不尽な要求をする。
事実と違うことで責め続ける。
何度も無理な要求を繰り返す。
スタッフが対応できないようなことを求める。
こうした場合には、
オーナーが間に入る必要があります。
お客様を大切にすることと、
スタッフに理不尽なことを我慢させることは、
同じではありません。
「オーナーのお客様だから」がスタッフを苦しめる
以前、私と親しくしていた一部のお客様から、
「オーナーとは仲がいいから」
という理由で、スタッフに無理なお願いをされることがありました。
スタッフからすると、
「オーナーのお客様だから断れない」
という状況です。
本当は断りたい。
でも、
「オーナーのお客様だから」
と我慢してしまう。
私は、これは良くないと思いました。
オーナーが築いた人間関係のために、スタッフが犠牲になってはいけない。
この経験は、私の経営に対する考え方を大きく変えました。
スタッフを守るために、入店をお断りすることもある
事実確認をした上で、
スタッフの対応に問題がない。
それをお客様にも説明した。
それでも納得していただけない。
さらに、スタッフへの理不尽な要求が続く。
そんな場合には、
私は最終的に、
入店をお断りするという判断も必要だと思っています。
もちろん、簡単な判断ではありません。
一人のお客様を失えば、売上も減ります。
経営者としては、
できれば避けたい判断です。
しかし、
一人のお客様のために、
スタッフが毎回嫌な思いをする。
仕事に不安を感じる。
職場に行くことが苦痛になる。
そこまでして売上を守ることが、
本当に正しい経営なのか。
私はそう考えました。
だから、
スタッフを守るために、お客様との取引を見直すこともオーナーの仕事
だと思っています。
一人のスタッフを失うことの大きさ
スタッフが一人辞める。
数字だけを見れば、
「一人減っただけ」
と思うかもしれません。
しかし、実際には違います。
新しい人を募集する。
面接する。
採用する。
仕事を教える。
一人で仕事ができるようになるまで育てる。
そこには時間もお金もかかります。
そして、それだけではありません。
長く働いてくれたスタッフには、
その店で積み重ねた経験があります。
お客様との関係があります。
他のスタッフとの信頼関係があります。
新人を教える力もあります。
だから私は、
スタッフは単なる労働力ではない
と思っています。
一人ひとりが、お店の大切な資産です。
スタッフを守ることは、甘やかすことではない
ここは誤解してほしくありません。
スタッフを守るからといって、
何でも許すわけではありません。
スタッフに問題があれば、私はきちんと注意します。
接客に問題があれば改善する。
仕事のミスがあれば原因を考える。
ルール違反があれば指導する。
必要なことは、きちんと伝えます。
ただし、
指導することと、人格を否定することは別です。
仕事でミスをしたからといって、
その人自身の価値がなくなるわけではありません。
だから私は、
守るべきところは守り、改善すべきところは改善してもらう。
このバランスを大切にしています。
オーナーが最後に責任を取る
スタッフが現場で働いている以上、
すべての問題をスタッフだけの責任にすることはできません。
最終的な経営責任を負うのはオーナーです。
だからスタッフが困っているとき、
「それはあなたの問題だから」
とは言いたくありません。
まず、
「どうすれば解決できるか」
を一緒に考えます。
必要なら私が対応する。
必要なら私が謝る。
必要ならルールを見直す。
必要ならお客様との関係を見直す。
最終的に判断するのはオーナーです。
私は、
責任を引き受ける覚悟があるからこそ、人に仕事を任せられる
と思っています。
スタッフが安心すると、お店が強くなる
スタッフを守ることは、
スタッフ一人を守るだけではありません。
スタッフが安心して働く。
↓
長く働いてくれる。
↓
経験が蓄積される。
↓
新人を育てられる。
↓
お店のサービスが安定する。
↓
お客様からの信用が積み上がる。
私は、この循環が非常に重要だと思っています。
逆に、
スタッフがいつも不安を感じている店では、
人が定着しません。
経験も蓄積されません。
新人教育も難しくなります。
結果として、
お店そのものが弱くなっていきます。
だから、
スタッフを守ることは、お店を守ることでもあるのです。
スタッフとの信用も経営資産
第23話では、
信用には複利がある
という話を書きました。
スタッフとの関係でも同じです。
オーナーがスタッフを大切にする。
↓
スタッフがオーナーを信頼する。
↓
困ったときに相談してくれる。
↓
問題を早く発見できる。
↓
一緒に解決する。
↓
さらに信用が増える。
この繰り返しが、
お店の力になります。
だから私は、
スタッフとの信用も、経営者が持つ大切な資産
だと考えています。
目先の売上より、長期的な信用を選ぶ
経営をしていると、
目先の売上を守りたくなることがあります。
一人のお客様を失いたくない。
売上を落としたくない。
クレームを避けたい。
それは経営者として当然です。
しかし、
目先の売上を守るために、
スタッフの安心や信用を犠牲にしてしまえば、
長期的にはもっと大きなものを失う可能性があります。
だから私は、
短期的な売上より、長期的な信用を選ぶ場面がある
と思っています。
まとめ
第25話では、
「スタッフは、お客様を大切にする。オーナーは、スタッフを大切にする。」
という話を書きました。
第26話では、その先にある、
「オーナーはスタッフを守る」
という話を書きました。
スタッフを守るとは、
何でもスタッフの味方をすることではありません。
まず事実を確認する。
スタッフに問題があれば、きちんと指導する。
問題がなければ、
「スタッフの対応は間違っていない」
と、お客様にオーナーが伝える。
それでも理不尽な要求が続き、納得いただけない場合には、
入店をお断りするという判断もする。
それが、私の考えるオーナーの責任です。
お客様は大切です。
しかし、
スタッフに安心して働いてもらうことも、
同じくらい大切です。
なぜなら、
スタッフが安心して働ける店だからこそ、
お客様にも良いサービスを提供できるからです。
そして、
スタッフとの信用が積み上がれば、
その信用は、
お店の信用へと変わっていきます。
私は10年以上コンビニを経営してきて、
こう考えるようになりました。
スタッフを守ることは、スタッフだけを守ることではない。
お店の信用を守り、店の未来を守ることでもある。
だから私は、
これからも必要なときには自分が前に出て、
スタッフを守れるオーナーでありたいと思っています。
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