はじめに
コンビニ経営では、「売上が伸びれば利益も増える」と考えられがちです。
しかし、10年以上コンビニを経営してきた私が実感しているのは、利益を決めるのは売上ではなく数字の管理だということです。
同じような売上でも、利益が大きく残る店舗もあれば、思うように利益が残らない店舗もあります。
その違いを生み出しているのが、GP率や人件費、廃棄、チャージなどの数値です。
今回は、私が日々の経営で最も重視している数字についてお話しします。
売上だけでは経営は判断できない
例えば、日販60万円の店舗があったとします。
一見すると順調に見えますが、その店舗が本当に利益を出しているかどうかは、売上だけでは判断できません。
利益に大きく影響するのは、
- GP率
- 人件費
- 廃棄
- 水道光熱費
- チャージ
- その他経費
など、多くの数字です。
これらを総合的に確認して初めて、店舗の本当の経営状態が見えてきます。
GP率は利益のスタート地点
GP率は、利益を生み出す最も基本となる数字です。
例えば、日販60万円の店舗では、
- GP率30%なら粗利益は18万円
- GP率28%なら粗利益は16万8,000円
わずか2%の違いでも、年間では400万円以上の差になることがあります。
だからこそ、GP率は毎月必ず確認したい重要な数字です。
人件費は改善効果が大きい
人件費は、オーナー自身がコントロールできる数少ない経費です。
シフトの組み方や作業効率、時間帯ごとの適正な人員配置を見直すことで、サービスレベルを維持しながら利益を改善できる可能性があります。
人件費率をわずか1%改善するだけでも、年間では大きな利益改善につながることがあります。
廃棄は利益を守る数字
人件費と並んで、利益を大きく左右するのが廃棄です。
売上を伸ばそうとして過剰な発注をすれば廃棄が増え、利益は減少します。
逆に、廃棄を減らそうとして発注を抑えすぎれば、欠品による販売機会の損失につながります。
重要なのは、売上だけを追い求めるのではなく、利益を意識した発注を行うことです。
私は、**コンビニ経営で最もコントロールしやすく、利益への影響が大きい数字は「人件費」と「廃棄」**だと考えています。
この2つを継続して改善することが、安定した利益につながります。
コンビニ経営の難しさは「オーナー収入」が見えにくいこと
コンビニ経営の難しさの一つは、セブン‐イレブンのチャージ制度が複雑で、オーナー収入を簡単に把握できないことです。
一般的な事業であれば、
売上-経費=利益
という考え方で収支を確認できます。
しかし、セブン‐イレブンでは、契約タイプ、加盟年数、複数店契約、24時間営業の有無、各種優遇制度などによってチャージ率が変わります。
さらに、人件費や廃棄、水道光熱費なども利益に影響するため、「売上が○万円だから利益は○万円」と単純に計算することはできません。
だからこそ、チャージを含めた収支全体を数値で把握し、毎月確認することが重要になります。
私がSEMCを作成した理由
私は毎月、売上やGP、人件費、廃棄、チャージなどを確認しながら経営してきました。
しかし、それぞれを別々に確認していては、利益の変化や改善点をすぐに把握することはできません。
そこで、「必要な数字を一つの画面で見える化できれば、もっと早く正確な経営判断ができる」と考え、SEMCを作成しました。
SEMCでは、売上やGPだけでなく、人件費、廃棄、チャージ、各種経費まで含めてシミュレーションできます。
数字を見える化することで、感覚ではなく根拠を持って経営判断ができるようになります。
SEMCとは?
SEMCとは、
S = Seven Eleven(セブン‐イレブン)
M = Management(経営)
C = Calculator(シミュレーター・計算機)
の頭文字を組み合わせた、
「Seven Eleven Management Calculator(セブン‐イレブン経営シミュレーター)」
です。
私が10年以上セブン‐イレブンを経営する中で、「利益を数字で見える化できるツールがあれば、もっと経営判断がしやすくなる」と感じたことが開発のきっかけでした。
「売上は伸びているのに、なぜ利益が残らないのか。」
「人件費を1時間削減すると利益はいくら増えるのか。」
「廃棄率を改善するとオーナー夫妻の平均時給はどう変わるのか。」
「チャージや優遇制度は利益にどれだけ影響するのか。」
こうした疑問を、感覚ではなく数字で判断できるようにすることを目的に開発しました。
SEMCでは、
- 売上シミュレーション
- GP率シミュレーション
- 人件費シミュレーション
- 廃棄シミュレーション
- チャージシミュレーション
- 優遇制度の自動判定
- オーナー夫妻の平均時給
などを、一つの画面で確認できます。
私は10年以上コンビニを経営する中で、利益を左右するのは「勘」や「経験」だけではなく、数字を理解し、数字をもとに経営判断することだと実感してきました。
SEMCは単なる計算ソフトではありません。
利益を見える化し、経営判断をサポートするためのツールです。
そして今後も、
- 新契約制度への対応
- 最低賃金上昇シミュレーション
- 平均日販80万円シミュレーション
- 将来の制度変更への対応
など、現役オーナーだからこそ必要だと感じる機能を追加しながら進化させていく予定です。
私の目標は、SEMCを通じて一人でも多くのオーナーが**「利益が残るコンビニ経営」**を実現できるよう、お手伝いすることです。
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まとめ
コンビニ経営は、売上だけを追いかけても利益は増えません。
利益を左右するGP率、人件費、廃棄、チャージなどの数字を理解し、毎月確認することが大切です。
特に、人件費と廃棄はオーナー自身が改善できる重要な項目です。
小さな改善でも、1年間積み重ねれば大きな利益差になります。
数字は難しいものではありません。
数字を理解し、数字を味方につけることが、長く安定したコンビニ経営への第一歩だと私は考えています。
次回予告
次回からは、「SEMC使い方講座」をスタートします。
第1回は「初期設定」です。
SEMCを初めて使う方でも迷わないよう、入力項目の意味や設定方法を順番に解説していきます。
一緒に「数字で経営する力」を身につけていきましょう。
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