SEMC使い方講座④|売上シミュレーション|売上1万円アップ、本当に利益は増えていますか?【第99話】

利益は選択肢を生む|現役コンビニオーナーが考える利益の本当の価値 SEMC使い方講座

はじめに

「あと日販1万円伸ばしたい。」

コンビニオーナーなら、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか。

もちろん売上を伸ばすことは重要です。

しかし、コンビニ経営で本当に大切なのは、売上ではなく利益です。

今回はSEMCを使って、

  • 売上を1万円増やした場合
  • GP率が1%変化した場合

利益がどのように変化するのかを比較してみます。


シミュレーション条件

今回の条件は次のとおりです。

  • 平均日販:56万円
  • GP率:34.8%
  • 廃棄率:1.5%
  • 人件費:124万円

その他の条件はすべて同じです。


比較① 売上を1万円アップすると利益はいくら増える

平均日販を56万円から57万円へ変更してみます。

項目56万円57万円差額
商品売上高17,360,000円17,670,000円+310,000円
売上総利益(GP)6,041,280円6,149,160円+107,880円
チャージ後収入2,712,384円2,744,748円+32,364円
最終利益966,984円994,698円+27,714円

売上は31万円増えました。

しかし、最終利益は約2万8千円しか増えていません。

売上が増えても、そのすべてが利益になるわけではないことが分かります。


比較② 売上は同じでもGP率が1%下がると?

次に、売上は56万円のまま、GP率だけを34.8%から33.8%へ変更します。

項目34.8%33.8%差額
商品売上高17,360,000円17,360,000円±0円
売上総利益(GP)6,041,280円5,867,680円▲173,600円
チャージ後収入2,712,384円2,601,627円▲110,757円
最終利益966,984円856,227円▲110,757円

GP率がたった1%下がっただけで、最終利益は約11万円減少しました。

年間にすると約133万円もの差になります。


GP率は重要。でも簡単にはコントロールできない

今回のシミュレーションを見ると、「GP率を上げれば利益が増える」と思うかもしれません。

しかし、現実にはGP率を思いどおりに改善することは簡単ではありません。

例えば、

  • たばこの販売構成比が上がればGP率は下がります。
  • ファストフードやセブンカフェなどの販売構成比が上がればGP率は改善します。

とはいえ、何を購入するかを決めるのはお客様です。

また、店舗の立地や客層によって売れ筋商品は大きく変わります。

つまり、GP率はオーナーだけではコントロールしにくい数字なのです。


売上アップにも落とし穴がある

今回のシミュレーションでは、売上を1万円増やすことで最終利益は約2万8千円増えました。

しかし、その売上を伸ばすために、

  • 一日1時間人件費を増やしたり、
  • 一日1,000円以上廃棄が増えたり

してしまえば、その利益は簡単に失われます。

売上だけを追いかけた結果、利益が減ってしまっては本末転倒です。


私が大切にしている経営

私は、10年以上コンビニ経営をしてきました。

その中で思うのは、

売上を追いかける経営は長続きしない。

ということです。

売上はお客様が決めます。

GP率も立地や客層に左右されます。

しかし、

  • 人件費
  • 廃棄
  • 発注精度
  • 作業効率

これらは、オーナー自身が改善できる数字です。

私は、コントロールできない数字に一喜一憂するよりも、コントロールできる数字を改善し続けることが、安定した利益につながると考えています。

その判断材料としてSEMCを作成しました。

ぜひ、自店舗の数字を入力しながら、利益を最大化する経営を目指してください。


まとめ

売上アップは経営改善の手段の一つです。

しかし、目的は売上を増やすことではなく、利益を最大化することです。

SEMCでは、

  • 売上
  • GP率
  • 人件費
  • 廃棄
  • チャージ
  • 最終利益

を一つの画面でシミュレーションできます。

数字を比較しながら、自店舗に合った最適な経営を見つけていただければ幸いです。

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