コンビニ開業で最初の壁はスタッフ採用|人手不足の中で迎えたオープン準備【第10話】

現場で考えるのは「次の10年」のこと 体験談

はじめに

こんにちは、コンビニ大家です。

店舗が決まり、いよいよオープン準備が始まりました。

店舗工事は順調に進み、商品や設備も少しずつ整っていきます。

「もうすぐ自分のお店ができる。」

そんな期待が日に日に大きくなっていました。

しかし、その一方で私の頭を最も悩ませていたことがあります。

それがスタッフ採用でした。

開業前の私は、

「お店さえ完成すれば何とかなる。」

そう思っていました。

しかし実際には、お店を作ることよりも、一緒に働いてくれる仲間を集めることの方が何倍も難しかったのです。

今振り返ると、この時の経験が、その後の私の経営に対する考え方を大きく変えるきっかけになりました。


当時のコンビニは人気のある仕事ではありませんでした

今から10年以上前、コンビニ業界には、

「仕事がきつい。」

「覚えることが多い。」

「ノルマがある。」

「労働環境が厳しい。」

そんなイメージがありました。

実際には店舗によって違いますが、そのような印象を持っている方が多かった時代です。

その影響もあり、求人を出しても応募は決して多くありませんでした。

当時の時給は750円前後。

現在と比べるとかなり低い水準です。

当時、他店舗の求人広告を見ると、

「当店にはノルマはありません。」

という一文が書かれていることもありました。

それだけ当時は、「コンビニにはノルマがある」というイメージを持つ人が多かったのだと思います。

現在では人手不足が社会全体の課題となっていますが、当時も採用は決して簡単ではありませんでした。


人を選ぶ余裕はありませんでした

コンビニ1店舗を安定して運営するには、一般的に12〜15名ほどのスタッフが必要と言われています。

しかし、オープンまでに採用できた長期スタッフは、わずか4名ほどでした。

面接では、

「この人が最適か。」

「もっと良い人はいないだろうか。」

そんなことを考える余裕はありません。

まずは営業できる人数を確保すること。

それが最優先でした。

そこで急きょ短期アルバイトを募集し、高校生4名にも協力してもらうことになりました。

こうして約8名体制で、何とかオープンを迎える準備が整いました。

今思えば、本当にぎりぎりの人数だったと思います。

それでも、協力してくださった皆さんのおかげで、無事に開店の日を迎えることができました。


当時は「採用できれば安心」と思っていました

開店前の私は、

「必要な人数が集まれば安心だ。」

そう考えていました。

しかし、実際に経営を始めると、その考えはすぐに変わります。

採用はスタートでしかありませんでした。

どれだけ良い人を採用しても、長く働いてもらえなければ意味がありません。

誰かが辞めれば、また採用活動をしなければならない。

その繰り返しです。

私は経営を続ける中で、

本当に難しいのは採用ではなく、定着してもらうことだ。

そう考えるようになりました。


人との出会いが経営を支えてくれました

オープン当初に採用したスタッフは、現在は誰も残っていません。

当時は主婦の方が多く、

子育てが落ち着いて正社員として就職した方。

資格取得を目指して新しい道へ進んだ方。

家庭の事情で退職された方。

それぞれが新しい人生を歩んでいきました。

退職するときは寂しさもありました。

せっかく一緒に働いてきた仲間です。

できれば長く働いてほしいと思うのが本音でした。

それでも私は、辞めることが悪いことだとは思っていません。

その人にとって、より良い人生につながるのであれば、心から応援したいと思っています。

一方で、その後採用したスタッフの中には、10年以上一緒に働いてくださっている方もいます。

長い年月を共に過ごす中で、スタッフは単なる従業員ではなく、お店を支える大切な仲間になっていきました。


この経験が私の経営を変えました

10年以上経営してきて思うことがあります。

コンビニ経営で一番の財産は、売上でも利益でもありません。

人との信頼関係です。

設備は、お金を出せば買えます。

商品は、本部が届けてくれます。

新しい設備やシステムも導入できます。

しかし、人との信頼関係だけは、お金では買えません。

毎日の挨拶。

何気ない会話。

約束を守ること。

困った時に支え合うこと。

そうした小さな積み重ねによってしか築くことはできません。

この経験が、その後の私の経営方針を大きく変えました。

働きやすい環境を整えること。

待遇を改善すること。

スタッフ教育に力を入れること。

感謝を言葉で伝えること。

後にこのブログで何度も書くことになる考え方は、すべてこの頃の経験が原点になっています。


まとめ

開店前の私は、スタッフ採用の難しさを初めて知りました。

お店は一人では営業できません。

商品があっても、人がいなければ営業は成り立ちません。

そして10年以上経営してきた今、私は確信しています。

経営とは、人を大切にすることから始まる。

利益も売上も大切です。

しかし、その数字を作っているのは、毎日現場で働いてくれるスタッフです。

経営者の仕事は、数字を見ることだけではありません。

一緒に働く人が安心して力を発揮できる環境をつくることも、大切な仕事です。

だから私は今でも、コンビニ経営で最も重要な資産は**「人との信頼関係」**だと考えています。

この考え方は、これから先も変わることはありません。


次回予告

オープン準備もいよいよ最終段階。

商品が並び始め、空っぽだった店内は少しずつコンビニらしい姿へ変わっていきました。

スタッフも集まり、いよいよ開店の日が近づいてきます。

期待と不安が入り混じる中、私は「いよいよ経営者になる」という実感が湧いてきました。

しかし、その高揚感とは裏腹に、本部社員によるサポートが終わった後、本当に自分たちだけで店を運営できるのだろうかという不安も日に日に大きくなっていました。

次回、第11話

「オープン前夜|コンビニオーナーが、いよいよ現実になる日」

開店前日の様子と、あの日に感じていた期待や緊張、そして経営者として迎える最初の夜を振り返ります。

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