コンビニ開業後、日販37万円まで落ちた|売上1,000万円超でも利益が残らなかった半年間【12話】

体験談

はじめに

こんにちは、コンビニ大家です。

コンビニオーナーになってから、10年以上が経ちました。

今では、店舗の売上だけではなく、粗利、人件費、廃棄、利益、キャッシュフローなど、さまざまな数字を見ながら経営しています。

しかし、最初からそんな経営ができていたわけではありません。

むしろ、開業したばかりの頃は、何を見ればいいのかすら分かっていませんでした。

私がコンビニオーナーになって最初に経験したのは、想像していた独立生活とはまったく違う現実でした。

オープンセールでは、3日間の平均日販が100万円を超えました。

一見すると、順調なスタートです。

しかし、オープンセールが終わった瞬間から、店舗の状況は大きく変わりました。

日販は30万円台まで落ち込み、その後も40万円前後で推移。

そして半年後。

月間平均日販は37万円まで落ち込んでいました。

ここから、私にとって忘れることのできない半年間が始まります。


順調なスタート

コンビニを開業することは、私にとって大きな決断でした。

会社員として働いていた私が独立する。

親からは反対されました。

それでも、自分で事業をやってみたいという気持ちは変わりませんでした。

そして、いよいよ店舗が完成し、オープンの日を迎えました。

オープンセールには、本当にたくさんのお客様が来店してくださいました。

本部社員の皆さん。

近隣店舗から応援に来てくださったスタッフの皆さん。

多くの方に支えていただき、店舗は大きな混乱もなく営業することができました。

3日間の平均日販は100万円を超えました。

開業初期としては、順調なスタートだったと思います。

もちろん、うれしかったです。

しかし私は、この数字が自分たちの実力だとは思っていませんでした。

オープンセールという特別な環境だったからです。

応援スタッフがいる。

本部社員がいる。

開店を待ってくださったお客様がいる。

普段とはまったく違う条件です。

だからこそ、私が不安だったのは、

「この人たちがいなくなったあと、本当に自分たちだけで店を運営できるのだろうか。」

ということでした。

その不安は、すぐに現実になります。


オープンセールが終わると店は一気に静かになった

オープンセールが終わると、本部社員や応援スタッフは、それぞれの店舗へ戻っていきました。

店内は一気に静かになりました。

お客様の数も落ち着きます。

ここからは、自分たちだけで店舗を運営しなければなりません。

研修で教わった仕事を思い出しながら、レジ、品出し、発注、公共料金、宅配便、清掃など、一つひとつの仕事をこなしていきました。

研修では何度も経験していた仕事でも、実際のお客様を前にすると簡単ではありません。

想定していなかった質問をされる。

操作が分からなくなる。

判断に迷う。

そのたびに確認し、本部へ電話をし、一つずつ覚えていきました。

当時は売上分析どころではありません。

まずは、

「今日一日を無事に終えること。」

それだけで精一杯でした。

そんな私でも、毎朝必ず確認する数字がありました。

前日の売上です。


毎朝、売上を見るのが怖かった

オーナーになってから、毎朝最初に確認するのは前日の売上でした。

昨日はいくら売れたのか。

客数は何人だったのか。

日販はいくらだったのか。

最初は、

「今日はたまたま悪かっただけだろう。」

そう思っていました。

翌日になれば上がる。

週末になれば上がる。

もう少し地域に認知されれば上がる。

そんな期待をしていました。

しかし、数字はなかなか上がりません。

開業直後には、日販30万円台まで落ち込む日もありました。

その後も40万円前後で推移しました。

毎朝、売上を見るたびに不安になります。

「本当にこの店は大丈夫なのか。」

「このまま続けていけるのか。」

「借金を返していけるのか。」

そんなことばかり考えていました。

朝から数字を見て落ち込み、そのまま一日が始まります。

夜になっても売上のことが頭から離れません。

翌朝になれば、また売上を見る。

そんな毎日の繰り返しでした。


説明会で聞いていた数字とは違った

開業前の説明会では、地区平均の日販は約65万円と聞いていました。

もちろん、平均です。

すべての店舗が65万円売れるとは思っていませんでした。

立地も違います。

商圏も違います。

競合店の状況も違います。

それでも私は、

「平均より2割くらい低くても、日販50万円程度は売れるだろう。」

そう考えていました。

50万円程度売れれば、何とか経営できる。

そう考えて事業計画を立て、借入をして、独立しました。

ところが、現実は30万円台から40万円前後。

地区平均の日販65万円とは、大きな差がありました。

「何か計算を間違えたのではないか。」

本気でそう思いました。

自分だけ条件が違うのではないか。

何か重大な見落としがあったのではないか。

そんなことまで考えました。


セブン‐イレブンというブランドなら大丈夫だと思っていた

私はセブン‐イレブンというブランドを信頼していました。

長年にわたって店舗を展開している。

商品力がある。

知名度がある。

本部には多くの経験とノウハウがある。

だからこそ、

「セブン‐イレブンなら、開業すればある程度はお客様が来てくれるだろう。」

そんな気持ちがどこかにありました。

しかし、実際に店舗を経営してみると、ブランドだけでは解決できない問題があることに気付きます。

立地。

商圏。

競合。

交通量。

周辺施設。

地域の特性。

さまざまな条件によって、店舗の売上は変わります。

開業前の私は、そのことを十分に理解していませんでした。

今なら分かります。

地区平均という数字は、自分の店舗の未来を保証してくれる数字ではありません。

それでも当時の私は、売上を上げる方法を探すことしか考えていませんでした。

そして、その先で私は、一つの判断をすることになります。

それが、

「商品を増やす」

ということでした。


本部社員のアドバイスを信じた

日販が低い。

では、どうすれば売上を上げられるのか。

当時の私は、まだ経営経験がありませんでした。

自分で答えを出すことはできません。

そんな私にとって、本部社員からのアドバイスは非常に重要でした。

本部社員から、

「欠品を防ぐために、もう少し商品を増やした方がいい。」

というアドバイスを受けました。

私は、その言葉を素直に信じました。

「商品が少ないから、お客様が買いたいものを買えないのではないか。」

「商品を増やせば、売上も増えるのではないか。」

そう考えたのです。

セブン‐イレブンには長年の店舗運営のノウハウがあります。

一方、私は開業したばかりの新人オーナーです。

当然、

「経験のない自分より、本部社員の方が正しいだろう。」

と思っていました。

だから、言われた通りに発注を増やしました。

売場の商品を増やしました。

欠品を減らし、お客様が欲しい商品をいつでも買える状態にすれば、売上も少しずつ上がっていく。

当時の私は、本気でそう思っていました。

しかし、結果は思っていたものとは違いました。

商品は増えました。

売場も充実しました。

ところが、売上は期待したほど増えません。

その一方で、売れ残る商品が増えていきました。

そして、その先に待っていたのが、

大量の廃棄でした。

ここから、私の半年間はさらに厳しいものになっていきます。

増えたのは売上ではなく、廃棄だった

発注を増やした結果、商品は確かに増えました。

売場も以前より充実しました。

しかし、期待していたようには売上が伸びません。

一方で、売れ残る商品は増えていきました。

そして増えていったのが、廃棄です。

当時の不良品原価は、

  • 8月:約75万円
  • 9月:約48万円
  • 10月:約45万円
  • 11月:約54万円

毎月、大きな金額の商品が廃棄になっていきました。

売価ベースで考えれば、毎月70万円から110万円近い商品を処分していたことになります。

廃棄商品を処分するたびに、

「これだけの商品が現金だったら、どれだけ楽だろう。」

そう思いました。

売れれば売上になります。

売れなければ廃棄になります。

商品を増やしたからといって、必ず利益が増えるわけではありません。

当時の私は、その当たり前のことを理解していませんでした。


売上1,000万円を超えても利益が残らない

その後、店舗の売上は月間1,000万円を超える水準になりました。

月間売上が約1,250万円になる月もありました。

日販にすれば、約42万円前後です。

数字だけを見ると、

「月に1,250万円も売っているなら、かなり儲かっているのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、実際にはそうではありませんでした。

当時の利益は、

  • 8月:▲33万円
  • 9月:13万円
  • 10月:26万円
  • 11月:18万円
  • 翌1月:15万円

という状態でした。

開業から半年間の平均利益は、約18万円です。

しかし、この18万円という数字だけでは、当時の状況の厳しさは伝わりません。

なぜなら、この利益を出すために、私はほとんど休むことなく働いていたからです。

当時の私は、月300時間以上店舗で働いていました。

休みらしい休みも、ほとんどありません。

売上が低い。

利益が残らない。

それなら自分が働くしかない。

そんな考えで、とにかく店舗に立ち続けました。

そして、妻も月に約150時間、店舗を手伝ってくれていました。

つまり、夫婦合わせると、月に450時間以上働いていたことになります。

今振り返ると、本当に妻には申し訳なかったと思っています。

私がコンビニ経営を始めたことで、妻にも大きな負担をかけてしまいました。

それだけ働いても、開業から半年間の平均利益は約18万円。

悪い月には、私自身の働いた時間を時給換算すると、

約333円。

もちろん、経営者の収入を単純に時給だけで考えるものではありません。

それでも、当時の自分がどれだけ働いていたのかを振り返ると、

「これだけ働いて、これだけしか残らないのか。」

という気持ちはありました。

そして何より、妻にも同じように大きな負担をかけていました。

妻は月150時間も店舗に立ってくれていました。

それなのに、利益はほとんど残らない。

「自分がもっと何とかしなければいけない。」

そう思っていました。

しかし、当時の私には、正直なところ、どうすることもできませんでした。

売上を簡単に上げることもできない。

人を増やせば人件費が増える。

自分が働けば、多少は人件費を抑えられる。

だから、自分が働くしかありませんでした。

今振り返れば、この時の私は経営者というより、

「夫婦の労働力を最大限投入して、何とか店を維持している状態」

だったのだと思います。

この経験があったからこそ、後になって、

「経営とは、自分がどれだけ働くかではなく、どうすれば自分がいなくても利益を残せる仕組みを作れるか。」

という考え方に変わっていきました。


半年後、月間平均日販は37万円まで落ち込んだ

そして、半年間の経営を振り返ったとき、私はさらに厳しい現実を突きつけられました。

オープンして半年後の月間平均日販は37万円まで落ち込んでいました。

オープンセールでは3日間の平均日販が100万円を超えました。

開業前には、地区平均の日販約65万円を基準に、

「少なくとも50万円くらいは売れるだろう。」

と考えていました。

しかし、現実は違いました。

30万円台。

40万円前後。

そして半年後の平均日販37万円。

期待していた数字から、どんどん離れていきました。

私は毎日の売上を見ながら、

「どうしてこんなに売れないんだろう。」

と悩み続けました。

しかし、今振り返れば、ここで大きな間違いをしていました。

私は、

「どうすれば売上が上がるのか。」

ばかりを考えていたのです。

本当に見るべきだったのは、

「今の売上から、どうすれば利益を残せるのか。」

でした。


本部社員とオーナーは立場が違う

経営が苦しくなれば、本部社員にも相談します。

売上が低い。

利益が残らない。

廃棄が多い。

何を改善すればいいのか分からない。

開業したばかりの私にとって、本部社員は重要な相談相手でした。

そんな中で、担当の本部社員から言われた言葉があります。

今でも忘れていません。

「最終的にセブンと契約したのは、オーナーさんですよね。」

その言葉を聞いたとき、正直、複雑な気持ちになりました。

「そこまで言うのか。」

そう思ったのも事実です。

ただ、私は本部社員が責任を押し付けようとしているとは思いませんでした。

本部社員とオーナーでは、そもそも立場が違います。

本部社員には本部社員の立場があります。

オーナーにはオーナーとしての立場があります。

本部からアドバイスを受ける。

それを参考にする。

しかし、そのアドバイスを最終的にどう判断するかはオーナー側の仕事です。

私はそのことを当時から理解していました。

だからこそ、

「本部社員とオーナーは立場が違う。」

そう考えていました。


待っているだけでは何も変わらなかった

当時、売上が低い店舗について、

「そのうち移転の話が出ることもある。」

という話を耳にしたことがありました。

だから私は、

「この売上なら、いつか何か話があるかもしれない。」

と期待していた時期もありました。

しかし、何も起こりません。

売上が低くても店舗は営業を続けます。

赤字でも支払いは発生します。

人手が足りなければ、自分が働くしかありません。

待っているだけでは何も変わりません。

そこで私は少しずつ考え方を変えていきました。

売上そのものは、簡単には変えられません。

立地を変えることもできません。

商圏を変えることもできません。

競合店をなくすこともできません。

しかし、

人件費。

廃棄。

発注。

商品構成。

作業効率。

こうした数字は、自分たちで改善できる。

そこに目を向けるようになりました。


「売上を上げる」から「利益を残す」へ

開業当初の私は、売上ばかり見ていました。

日販が30万円なら落ち込む。

40万円なら少し安心する。

50万円に近づけば喜ぶ。

そんな毎日でした。

しかし、経営を続ける中で気付きました。

売上だけでは、店舗の経営状態は分かりません。

どれだけ粗利があるのか。

どれだけ廃棄が出ているのか。

人件費はいくらなのか。

最終的に利益はいくら残るのか。

そして、その利益が実際のキャッシュとしてどれだけ残るのか。

見るべき数字はたくさんあります。

私は少しずつ、

「売上を上げる経営」から「利益を残す経営」へ

考え方を変えていきました。


この半年間が私を経営者にした

今振り返ると、開業から半年間は、私のコンビニ経営の中で最も苦しかった時期です。

オープンセールでは日販100万円を超えました。

ところが通常営業に戻ると、日販30万円台まで落ち込みました。

その後も40万円前後で推移し、半年後の月間平均日販は37万円まで落ち込みました。

商品を増やせば売上が増えると思い、本部社員のアドバイスを信じて発注を増やしました。

しかし、売上は思うように伸びず、廃棄が増えました。

月間売上が1,000万円を超える月があっても、利益はほとんど残りません。

私は月300時間以上働き、妻も月150時間ほど店舗を手伝ってくれました。

夫婦合わせて月450時間以上です。

それでも、開業から半年間の平均利益は約18万円でした。

悪いときには、私自身の働いた時間を時給換算すると約333円。

今考えても、決して普通の働き方ではありません。

妻にも大きな負担をかけました。

当時は本当に申し訳ないと思っていました。

それでも、あの時の私にはどうすることもできませんでした。

売上を簡単に上げることはできない。

人を増やせば人件費が増える。

だから、自分が働くしかない。

そんな状態でした。

しかし、この経験があったからこそ、私は少しずつ経営の考え方を変えていきました。

順調なときには、経営の本当の問題は見えません。

売上が伸びているときは、何をやってもうまくいっているように感じます。

しかし、

売上が伸びない。

廃棄が増える。

利益が残らない。

そんな状況になると、自分の経営の弱点が見えてきます。

私はそこで初めて、

「売上を作ることと、利益を残すことは違う。」

ということを実感しました。

そして、

「本部のアドバイスを受けることと、自分で経営判断をすることも別のこと。」

だと学びました。

本部社員とオーナーは立場が違います。

だからこそ、最後は自分で数字を見て、自分で考えて、自分で判断する。

それがオーナーとしての仕事なのだと思います。


まとめ|日販37万円から始まった経営者としての原点

コンビニ開業直後、私はオープンセールで日販100万円を超える売上を経験しました。

しかし、通常営業に戻ると、売上は大きく落ち込みました。

日販30万円台。

その後も40万円前後。

そして半年後には、

月間平均日販37万円。

開業前に想定していた日販50万円には届かず、地区平均の日販約65万円からも大きく離れていました。

売上を上げようとして商品を増やしました。

しかし、思うように売上は増えず、廃棄が増えました。

月間売上が1,000万円を超えることがあっても、利益は思うように残りませんでした。

私は月300時間以上働き、妻も月150時間ほど店舗を手伝ってくれました。

それでも、開業から半年間の平均利益は約18万円。

悪いときには、私自身の時給換算で約333円でした。

今振り返れば、これは経営というより、夫婦の労働力を最大限投入して、何とか店舗を維持していた状態だったと思います。

妻には本当に申し訳なかった。

もっと何とかしたかった。

しかし、当時の私にはどうすることもできませんでした。

だからこそ、そこから考え方を変えるしかありませんでした。

売上だけを見るのではなく、

粗利を見る。

廃棄を見る。

人件費を見る。

利益を見る。

そして、自分でコントロールできる数字を見る。

コンビニ経営では、売上が高ければ必ず儲かるわけではありません。

逆に、売上が低くても、利益を残す仕組みを作ることができれば、経営は変えられます。

私にとって、

日販37万円まで落ち込んだ半年間は、決して忘れられない時間です。

しかし同時に、

この半年間が、私の経営者としての原点になりました。

あの頃の失敗があったからこそ、その後は「売上をどう増やすか」だけではなく、

「どうすれば利益を残せるのか。」

を考えるようになりました。

そして、この考え方が、その後の店舗経営を大きく変えていくことになります。

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