はじめに
私はコンビニオーナーとして経営を続ける中で、あることを強く考えるようになりました。
「この先も、コンビニ事業だけに頼っていて本当に大丈夫だろうか。」
もちろん、コンビニ経営は私に多くの経験と収入をもたらしてくれた大切な事業です。
しかし、どれほど順調に見える事業でも、世の中に絶対はありません。
人手不足、最低賃金の上昇、社会環境の変化、競争の激化など、経営環境は年々変化しています。
だから私は、コンビニ経営を否定するのではなく、「一つの事業に依存しない経営」を目指したいと考えるようになりました。
このシリーズでは、私がどのような考えで不動産賃貸業を始めたのか、そして実際に経験した成功や失敗を、できるだけリアルにお伝えしていきます。
コンビニ経営だけでは将来に不安を感じた理由
私が独立した理由は、「コンビニオーナーになること」が夢だったからではありません。
自分の力で収入を得て、人生の選択肢を増やしたい。
家族を守り、将来にわたって安定した生活を送りたい。
そのために、自分にできる仕事を真剣に考えた結果、当時の私にとって最も現実的だったのがコンビニ経営でした。
実際に経営を始めると、利益を生み出せる魅力的な事業であることは間違いありませんでした。
一方で、その大変さも想像以上でした。
24時間営業、人材採用、人材育成、シフト管理、設備トラブル、クレーム対応。
店舗運営を仕組み化しても、急な欠員やトラブルが発生すれば、最後はオーナーである自分が対応しなければなりません。
そして、少子高齢化が進むこれからの日本では、人材確保はますます難しくなるでしょう。
だから私は、「コンビニを収入の柱として育てながら、第二の収入源も育てていく必要がある」と考えるようになりました。
最初から不動産を考えていたわけではない
独立した当初から、「いつかはコンビニ以外の事業も持ちたい」という思いはありました。
しかし、最初から不動産賃貸業をやろうと決めていたわけではありません。
まず取り組んだのは、小規模企業共済、iDeCo、新NISA、高配当株投資などの資産形成です。
これらは将来への備えとして非常に有効な制度です。
しかし、資産運用は資産を育てる仕組みであり、新たな事業収入を生み出すものではありません。
私は、コンビニ経営で得た利益を活用しながら、もう一つの収入の柱を築きたいと考えていました。
さまざまな選択肢を調べた結果、私がたどり着いたのが不動産賃貸業でした。
なぜ不動産賃貸業だったのか
私が不動産賃貸業を選んだ理由は、「儲かりそうだったから」ではありません。
不動産賃貸業は、何十年、何百年という歴史の中で続いてきた事業です。
時代が変わっても、人が暮らす以上、「住まい」は必要になります。
もちろん、不動産経営は決して簡単ではありません。
空室、修繕費、災害、金利上昇、人口減少など、多くのリスクがあります。
それでも私は、不動産賃貸業は正しい知識を身につけ、堅実に取り組めば成果につながる可能性を高められる事業だと考えました。
誰でも成功できるという意味ではありません。
しかし、長く安定して経営を続けている人には共通する考え方があります。
無理な借入をしないこと。
立地を慎重に見極めること。
長期的な視点で経営すること。
建物と入居者を大切にすること。
派手さはなくても、基本を積み重ねている人ほど、長く安定した経営を続けていました。
私は、その姿勢に魅力を感じました。
一歩を踏み出せなかった理由
とはいえ、理屈が分かったからといって、すぐに行動できたわけではありません。
むしろ、不安の方が大きかったのを今でも覚えています。
「銀行から、どうやって融資を受ければいいのだろう。」
「どんな物件を選べば失敗しないのだろう。」
「不動産会社は本当に信用していいのだろうか。」
「営業担当者の『おすすめです』という言葉を、そのまま信じて大丈夫なのだろうか。」
分からないことばかりでした。
不動産は数千万円、時には一億円を超える金額が動く世界です。
一つの判断ミスが、その後何十年にもわたる経営へ影響を与える可能性があります。
だからこそ、私は焦って物件を購入することはしませんでした。
勉強はした。でも、すぐには買わなかった
まずは徹底的に勉強しました。
本を読み、インターネットで情報を集め、成功している大家さんのブログやYouTubeを見て、不動産の知識を身につけました。
当時は「大家の会」と呼ばれるコミュニティも数多くあり、勉強会や交流会も盛んでした。
私も興味を持ち、内容を調べました。
しかし、実際に見ていくうちに、「これは自分には合わない」と感じました。
もちろん、そのコミュニティを否定するつもりはありません。
実際に成功している方も多く、そこで学ぶことが向いている人もいると思います。
ただ、私が目指したかったのは、短期間で規模を拡大する経営ではありませんでした。
コンビニ経営で得た利益を活用しながら、一棟ずつ着実に資産を積み上げていく。
その方法の方が、自分の性格にも経営スタイルにも合っていると感じたのです。
私は昔から、周囲がやっているからという理由だけで行動するタイプではありません。
人それぞれ資金力も違えば、家族構成も、目指す人生も違います。
だからこそ、他人の成功法則をそのまま真似するのではなく、自分に合った投資スタイルを見つけることが何より大切だと考えています。
焦って買わない。
流行に流されない。
納得できるまで調べる。
この考え方は、今でも私の不動産経営の軸になっています。
このシリーズで伝えたいこと
今振り返れば、勉強だけを続けていた期間は決して遠回りではありませんでした。
あの時間があったからこそ、本当に購入したいと思える物件に出会ったとき、自信を持って決断することができました。
このシリーズでは、成功したことだけを書くつもりはありません。
迷ったこと。
判断を誤りかけたこと。
失敗したこと。
そして、「今ならこうする」と思えること。
そうした経験も含めて、できる限り包み隠さずお伝えしていきます。
私は決して特別な投資家ではありません。
コンビニを経営しながら、一つひとつ悩み、学び、失敗し、その経験を積み重ねながら資産を築いてきた一人の経営者です。
だからこそ、教科書やSNSでは分からない、現場でしか学べなかったことを、できるだけリアルに発信していきたいと思っています。
私が経験してきたことが、これから不動産賃貸業に挑戦する皆さんの判断材料になれば幸いです。
次回は、私が最初の物件を探し始めた頃のことや、銀行融資を受けるために最初に行ったことについてお話しします。
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